高高度での核爆発や意図的な電磁妨害として電磁パルス発生器等により発生する強力な電磁波は,EMP(Electro Magnetic Pulse:電磁パルス)と呼ばれ,電子機器を損傷·破壊し,社会を大規模に麻痺させるため,その影響は大きい。近年の電子化が進んだ社会においては,その対策は喫緊の課題と考えられる。一般的には,空間を伝搬してくる電磁波を遮蔽(金属等で塞ぐ)する,EMPによりケーブルに誘起される過電圧·過電流を保護回路で吸収する等の対策を行う。しかし,通風口等は機能上,塞ぐことができない。通風口部に,本来持つべき冷却(圧損)性能の低下を最小限に抑え,EMP対策性能を具備させることのできる構造について,詳細解析,AM造形等の技術を活用して開発を行い,構造の創出,製造し,実性能として電磁シールド性能と圧損性能を両立することを確認した。