Vol. 61 No. 3 (2024)   マテリアリティ特集
- 三菱重工グループが考える重要課題に対する取組み -
技術論文

エナジートランジションを支えるアンモニア除害技術

Ammonia Abatement Technology to Support Energy Transition

櫻井秀明
Hideaki Sakurai
田中幸男
Yukio Tanaka
野間彰
Akira Noma
吉徳光一朗
Koichiro Yoshitoku
山田大祐
Daisuke Yamada
高松皆光
Tomoteru Takamatsu
櫻井秀明
田中幸男
野間彰
吉徳光一朗
山田大祐
高松皆光

世界的な脱炭素の流れに乗って,火力発電分野におけるアンモニア混焼や船舶分野におけるアンモニア燃料エンジンなどが開発されており,アンモニア燃料の利用が加速している。しかし,アンモニアは毒性·刺激性(悪臭)·腐食性があり,アンモニア燃料ハンドリングの際には安全性確保が重要である。三菱重工業株式会社と三菱造船株式会社は,これまでにアンモニア燃料供給及びアンモニア除害を含む舶用アンモニア燃料ハンドリングの全体システムを開発してきた。アンモニア除害システムは,アンモニア焚き二元燃料エンジンの燃料をアンモニアから重油へ切替える際の配管パージ行程で発生する,毒性のある残存アンモニアを除害するものであり,特に停電等の緊急時には,燃料供給系統から発生する濃度変化を伴う大量のアンモニアパージガスを短時間に除害する。本報では,配管からの大量の高圧アンモニアパージガスを短時間に除害する独自システムについて説明する。