Vol. 63 No. 1 (2026)   新製品·新技術特集
技術論文

高エネルギー効率及び経済性に優れたバイオ燃料製造装置の開発:
バイオエタノール膜分離脱水システム -MMDS®-

Development of a Biofuel Production System with High Energy Efficiency and Excellent Economic Performance:
MMDS® (Mitsubishi Membrane Dehydration System)

松澤雅登
Masato Matsuzawa
志村良太
Ryota Shimura
鈴木孝允
Koin Suzuki
大貫琢郎
Takuro Onuki
吉徳光一朗
Koichiro Yoshitoku
磯谷康平
Kohei Isogai
松澤雅登
志村良太
鈴木孝允
大貫琢郎
吉徳光一朗
磯谷康平

バイオエタノールは,ガソリン代替となるクリーン燃料として,また次世代航空機燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の原料として注目されている。世界のエタノール消費量は,コロナ禍による一時的な減少を除き,漸増傾向が続いている。さらに,米国でのSAF生産が本格化した場合,SAF原料としての急激な需要増加が見込まれる。バイオエタノールを燃料として使用するためには,製造工程の最終段階でバイオエタノール中に含まれる水分の除去が不可欠である。しかし,現状ではバイオエタノール製造工程の消費エネルギーの約6割が蒸留·脱水工程に起因しているため,この脱水工程での消費エネルギー削減が求められている。また,バイオエタノールプラントについては,2000年代に新設されたプラントが老朽化しており,設備の更新需要が予測されている。そのタイミングで,エネルギー消費量の削減効果が高い本研究の膜分離脱水システムへの置換えを提案できるよう研究開発を進めている。三菱重工業株式会社は,植物由来のクリーン燃料であるバイオエタノールの高効率な新型膜分離脱水システムの開発とその事業化を推進することで,脱炭素技術としての早期確立·社会実装を図るとともに,持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献してゆく。