Vol. 62 No. 4 (2025)   航空·防衛·宇宙特集
技術論文
航空機部品の軽量化と環境負荷削減：
ケミカルミーリングから高精度機械加工への移行

Realizing Lighter Aircraft Parts with Reducing Environmental Impacts:
Change the Manufacturing Process from Chemical-milling to High-precision Machining
藤井和慶
Kazuyoshi Fujii
江藤潤
Jun Eto
田中利幸
Toshiyuki Tanaka
橋野高明
Takaaki Hashino
藤井和慶
江藤潤
田中利幸
橋野高明
航空機アルミニウム合金製部品のスキンやフレームの軽量化で用いられるケミカルミーリング法は,環境負荷の課題があり撤廃が望まれている。そのため,三菱重工業株式会社では,ケミカルミーリング法に替わる新たな環境対応型高精度機械加工法を開発してきた。開発した加工法を2017年より生産しているBoeing社の777Xシリーズに適用開始し,最新鋭の貨物機777-8Fでは,機械加工への全面移行を完遂した。本報では,持続可能な航空機製造の実現のために開発したMAG加工法とその効果について報告する。

三菱重工技報