Vol. 59 No. 4 (2022)   カーボンニュートラル特集
技術論文

低炭素·カーボンニュートラル社会に貢献する水素·アンモニアエンジンの開発

Development of Hydrogen and Ammonia Engine that Contributes to Decarbonized Society

今森祐介
Yusuke Imamori
渡邉壮太
Sota Watanabe
田中健吾
Kengo Tanaka
野口知宏
Tomohiro Noguchi
森直之
Naoyuki Mori
山田哲
Satoshi Yamada
今森祐介
渡邉壮太
田中健吾
野口知宏
森直之
山田哲

低炭素·カーボンニュートラル社会の達成に向け,水素·アンモニアを燃料として利用するレシプロエンジンの開発を進めている。水素混焼エンジンでは,都市ガスへの水素混合割合を35vol%まで増加させた場合の燃焼特性を実機検証し,ノッキングやプレイグニッション(過早着火)の異常燃焼の回避条件の明確化,今後の商品化仕様の決定に繋げた。水素専焼エンジンでは,数値シミュレーションと単筒試験機による検証にて,異常燃焼を回避しつつ,高出力·高効率を実現する運転条件及び各部品の仕様選定を図り,それらを展開した実機設計を推進中である。また,舶用エンジンへの展開を見据えたアンモニア混焼エンジンでは,N2Oを含む温室効果ガスの大幅低減が可能な燃焼形態を数値シミュレーションの活用により探索し,小型試験機での検証にて従来比82%低減を確認した。