製品の整備,分解修理などの点検·整備を行うMRO(Maintenance,Repair and Overhaul)ビジネスにおいては,在庫をどれだけ持って運営するかが重要な検討課題である。市場やサプライヤの動向を踏まえて多くのケーススタディを行い,コストミニマムの制約の下で整備期間の短縮を果たす必要がある。一般に,整備期間とコストは在庫量に影響されることが多く,この在庫量をどう決めるか(在庫戦略)がサービス運用のキーになる。従来,この戦略決定は経験や勘に基づいて行われており,改善の余地があった。そこで,当社は,数理最適化に基づく理論的な計画技術を基に最適在庫量の算出技術を開発し,それらをMROビジネスの拡大に活用している。本報では,当技術の概要,独自の在庫戦略立案技術,及び適用事例について説明する。