火力発電プラントのボイラ伝熱管では,アルカリ腐食等による管内面側の腐食減肉の発生が懸念される。三菱重工業(株)及び三菱日立パワーシステムズ(株)では,伝熱管の連続肉厚測定技術として超音波法を用いたインナーUT技術を確立しているが,腐食反応により生成した錆および付着物であるスケールの影響を受けるため,管内面減肉の検出は困難であった。そこで著者らは,スケールの影響を受けず,且つ管全長·全周を検査する技術として,ECT(Eddy Current Testing:渦電流探傷試験)の適用を検討し,減肉部を検出するための探傷条件を電磁場シミュレーションにより抽出して専用ECTプローブを開発した。