近年BAT(Best Available Technique)の考え方が各業界に広まってきている中,欧米を中心に火力発電所からの排水(特に脱硫排水)の規制強化も進み,乾式排煙処理技術や無排水化技術のニーズが高まってきている。これまで三菱日立パワーシステムズ(株)(以下,MHPS)では,無排水化技術として,煙道噴霧システム(WES:Wastewater Evaporation System),排水濃縮固化システム(WCS:Waste Water Concentration and Solidification System)を商品化してきた。本稿では,ごみ焼却装置で実績のある減温塔を雛形にした火力発電所向けの無排水化装置(WSD:Wastewater Spray Dryer)の開発状況について概説する。