石炭火力の高効率化技術として有望な700°C級A-USC(Advanced Ultra Super Critical)ボイラの実現には,従来ボイラよりも大幅に高い温度に耐えうる高強度Ni基合金や先進フェライト系鋼の開発·検証が不可欠である。これまでに長時間クリープ破断強度および製造技術の検証ほか,水蒸気酸化特性および石炭灰による高温腐食特性の評価を行い,必要な強度や耐食性を有し,耐圧部の製作の問題がないことが確認できた。2015年5月から既設ボイラに伝熱管パネルを追設し,A-USCボイラ模擬環境下で検証を行なっている。今後,保守技術として,クリープ損傷評価技術や非破壊検査技術の開発も進め,A-USCボイラの早期実現を目指していく。