Vol. 47 No. 3 (2010)   船舶·海洋特集
技術論文

マラッカマックスVLCCの開発

-国際共通構造規則CSRに業界で初めて対応-

Development on Maraccamax VLCC applied CSR (Common Structural Rules)

深井孝
Takashi Fukai
久間康充
Yasumitsu Kuma
田平誠
Makoto Tabira
深井孝
久間康充
田平誠

戦後,原油タンカーは輸送需要の増大と輸送効率の向上のため,大型化を追及してきた. 一方,大型タンカーはひとたび衝突,座礁などによる積荷の流出事故を起こすと,海洋環境に深刻な影響を及ぼすため,たびたび適用規則が大きく変わってきている.その適用規則の変化の度合いが他の船種と比べ相対的に大きいため,そのたびに新しい船型,技術が開発され適用されてきている. マラッカマックスVLCC(Very Large Crude oil Carrier:載貨重量20万トン以上の原油タンカー)はマラッカ海峡を通過できる主寸法制限(全長,幅,喫水,総トン数)がある中で,新規則CSR(Common Structural Rule)を合理的に適用しつつ,最大の貨物タンク容積,載貨重量を確保することが求められている.