有機 EL は,その形状(極薄で面発光),光の質(優れた色再現性,UV レス)及び環境性能(水銀レス,数年内に蛍光灯より省エネ)から,白色 LED と並び,環境にやさしい次世代照明として大いに期待されているが,これまでは,量産が難しく,パネルが高価なことから,普及には至っていなかった.そこで当社は,製鉄機械で培った亜鉛,アルミニウムなどの大面積連続成膜技術をベースに,高価な有機 EL 材料の使用効率を飛躍的に高め,有機 EL パネルの低コスト量産を実現する「大型リニア蒸発源方式インライン成膜装置」を開発した.本稿では,当該装置の概要について紹介する.