Vol. 43 No. 1 (2006)   新製品·新技術特集
技術論文

印刷業界の夢を実現したバリアブルサイズ商業用オフセット輪転機LITHOPIA MAX-V

Mitsubishi Variable Size Commercial Web Offset Press, LITHOPIA MA X-V, Realizing a Dream of Printing Industry

小路幸和
Yukikazu Shoji
神田義昭
Yoshiaki Kanda
本岡幹男
Mikio Motooka
岩本寅男
Torao Iwamoto
三田村 勇
Isami Mitamura
小原浩志
Hiroshi Kobara
小路幸和
神田義昭
本岡幹男
岩本寅男
三田村 勇
小原浩志

市場に出回るほとんどの雑誌·チラシを製作する商業用オフセット印刷機は,紙の搬送方法により,既に切りそろえた枚葉紙に一枚づつ片面又は両面印刷する枚葉機と,連続紙を使用し,その両面を連続印刷後,所定のサイズに断裁·折り畳んだ状態で印刷物を生産する輪転機(以下商業オフ輪と称す)に大別される.いずれもアルミ薄板の絵柄版を,版胴と称すシリンダへ円筒状に装着し,この回転により紙に印刷を行っていく.枚葉紙の先頭だけを保持する枚葉機では,絵柄の大きさに応じて紙寸法を選定すれば,無駄なく印刷可能であるが,商業オフ輪では版胴の周長分の用紙を常に印刷するため,無駄をなくすには仕上がり寸法に応じた印刷機を揃えておく必要がある.
商業オフ輪では,連続紙を用いるため高速で,枚葉機に比べて3倍以上の生産性を有すため,印刷寸法に柔軟性を持たせることが,難度と期待ゆえに印刷業界の夢であった.これに応えるため,当社では,版胴など主要部を簡単に入れ替え可能なバリアブルサイズ機"LITHOPIA MAX-V" を開発した.本機は,世界最大の印刷器材展(2004 年,ドイツ)にプロト機として出品した後,フルセットの実機を公開運転(2005 年,日本)し,国内外の印刷関係者から高い評価を得た.