宇宙太陽発電システム(SSPS:Space Solar PowerSystem)は,静止衛星軌道上の太陽電池で発電したギガワット級の電力をマイクロ波により地上へ無線伝送し,地上でこれを再び電力エネルギーに変換するものである.発電時に化石燃料を消費しないため,エネルギー問題·地球温暖化問題を解決する技術として期待されている.SSPSでは発電効率を高めるために,軌道上の多数の発送電パネルのマイクロ波位相を高精度で同期させ,地上の受電設備に対して的確にビームを方向制御する必要がある.そこで,当社では,発送電パネル単位でマイクロ波の位相を一致させる位相同期システムと,アンテナ素子単位で方向制御·増幅するアクティブ集積アンテナの開発を実施した.
なお,本開発は経済産業省からの委託を受けて,(財)無人宇宙実験システム研究開発機構の平成14年度"新発電システム等調査研究(宇宙太陽発電システム実用化技術調査研究)"の一環として実施した.