当社は,国内はもとより香港やシンガポールといった東アジア及び東南アジア諸国の都市内交通,空港内旅客移動の需要にこたえ,独自に開発してきたクリスタルムーバに代表される次世代のAPMシステム(Automated People Mover:全自動無人運転車両)を市場に投入してきた.
現在,APMは世界各国で導入が進んでいるが,取り分け,米国では空港内の移動システムとしての需要が大きく,将来性のある重点市場としてとらえている.米国向案件の第一号としては,現在,マイアミ国際空港向けAPMが建設中であるが,これに続き,2003年3月,ワシントン空港公団よりワシントン·ダレス国際空港向けAPMシステムを受注し,現在鋭意設計を推進中である.ダレス空港は,世界の賓客を迎える米国の表玄関·ハブ空港として注目度が高く,路線の長い大規模商談であったが,海外輸出向けに開発したクリスタルムーバの機能·デザインが高く評価されたこと,また,車両制御では最新方式の採用が高く評価されたことから受注に至った.本報ではダレス空港APMシステムと,それを支える技術を紹介する.