DIA-SOx® InfoBank
[ エンジニアリング事業 ]

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スクラバーに関する様々なトピックを定期連載していきます

45.SOx排出規制がもたらす効果:2021.4.19 UP

  • 青い空と人々の健康を守るスクラバー

    排気ガスに含まれるSOx(硫黄酸化物)が大気中に放出されると、酸性雨など環境への悪影響だけでなく、気管支炎や喘息など人体の健康への悪影響を及ぼす原因になると言われています。
    オープンループスクラバーは排気ガス中のSOxを海水で洗浄して取り除くことで、青い空と人々の健康を守ります。
    スクラバーの洗浄排水として海水中に排出されたSOxはもともと海水中に含まれる物質(硫酸塩)に変化し拡散するため、国交省の調査結果でも海洋環境に及ぼす影響はほとんどないとされています。
    海水中に溶け込んだSOxが海水中の成分に変化する仕組みは、「4.SOxスクラバーはどうやって排ガスからSOxを除去するの?」をご覧ください。

    [DIA-SOx 機器担当]/p>

44.スクラバー実運用に役立つガイダンス:2021.4.19 UP

  • 監視装置故障や規制値を短時間逸脱した場合の対処方法

    MARPOL条約やEGCSガイドラインには、監視装置が故障したり、急激なエンジンの負荷変動によって一時的に排ガス規制値を逸脱するような値が出た場合など、実運用上起こり得る事象に対する解釈や対処方法について記載がありません。
    そこでIMOの海洋環境保護委員会(MEPC)では、2019年5月にガイダンス(MEPC.1/Circ.883)を発行し、このような事象が発生した場合の取り扱いを明確化しました。
    これにより、船上でスクラバーを運用されている乗組員の作業指針が明確になり、「適切な指示ができるようになった」と多くのお客様からガイダンスを評価する声が聞かれます。
    当社は今後もIMOの動きを注視し、お客様が必要とする情報を迅速にお届けしていきます。

    [DIA-SOx 開発担当]

43.DIA-SOx®の機器:2021.2.3 UP

  • DIA-SOx®のグローバルサプライチェーン

    DIA-SOx®スクラバーシステムはスクラバータワーの他、ポンプ、排ガスダンパー、各種センサー類、制御盤など多くの要素機器で構成されています。
    コロナ禍で様々なことが混乱する中、私たちはこれら要素機器が届かない・遅れるといった事態が起こらぬよう調達活動を見直しました。その結果、DIA-SOxシステムのサプライチェーンはより強固なものとなり、これまで納期遅延を一度も起こすことなくお客様にお渡ししています。今後もお客様のご要望に副った納期に合わせ要素機器を納品します。

    [DIA-SOx® 調達担当]

42.DIA-SOx® 電気のはなし 1:2021.2.3 UP

  • DIA-SOx スクラバーの Main Control Panel (MCP)

    Main Control Panel (MCP)では、脱硫のプロセスを安全かつ確実に実行するため、プラント状態の監視と自動制御を行っています。(例:ポンプ遠隔発停機能、弁開度の自動制御、洗浄水配管中の温度・圧力監視など)
    監視中に異常を検知した場合、アラームを発報し乗組員に知らせます。
    また、緊急停止保護機能を有しており万が一安全に関わる異常が検知された場合、スクラバー運転を安全かつ確実に停止させることが出来ます。
    DIA-SOxのMCPはABS・LR・NK等主要船級の承認を取得しています。またIACSにおける統一規格となるUR E10(船上の制御・監視・警報・安全システムに使用される電気・電子機器に対する承認基準)及びIACS UR E22(船舶の機関関連の監視システム等がコンピュータシステムを使用する場合の当該システムの構成、機能要件等)にも準拠しており高い信頼性を有しています。

    [DIA-SOx® 電装設計担当]

41.DIA-SOx R-SERIES の特徴:2020.11.12 UP

  • カーゴロスゼロを実現した、DIA-SOx R-SERIES

    DIA-SOx R-SERIES の特徴は、大型コンテナ船に最適なスクラバタワー形状により、カーゴホールドスペースを侵食しないスクラバー搭載が可能なことです。
    2020年8月末時点で、大型コンテナ船だけでも約20隻のレトロフィット工事・試運転から旗国承認の取得までが完了しています。
    写真に示す14,000TEU積コンテナ船へのレトロフィットプロジェクトでは、三菱造船がスクラバーシステムの供給だけでなく搭載エンジニアリングも手掛けました。
    ECA(0.1%S)基準で主機関・発電機関で合計約54MW分もの排ガスを1つのスクラバータワーで処理することが可能な大容量スクラバーですが、既存の煙突の隣にスクラバタワーを搭載することでカーゴロスゼロを実現しました。
    さらには既存の構造をほぼ変えない搭載エンジニアリングを行うことで、工事物量の削減と工期短縮を行い、お客様に貢献しています。

    [DIA-SOx® プロジェクト担当]

40.コミッショニング2:2020.11.12 UP

  • リモートコミッショニングの実現

    2020年春、新型コロナウィルスの感染拡大影響により、「国内の経験豊富な技師が海外現地に赴き、コミッショニングを行う」というコミッショニングスキームが成立しなくなるという事態が発生。
    このピンチへの対応に苦慮していたその時、お客様にこう言われました。

    「何とか現地だけでコミッショニングまで完了させたいので、最大限の協力をして欲しい。」

    これに奮起した当社コミッショニングチームは、国内の技師が現地の外国人技師を通じてタイムリーに現場状況を把握し、リアルタイムで直接指導する“リモートコミッショニング“を考案、実行したのです。
    「意思あるところに道は拓ける」とはこの事で、こうして始まった“リモートコミッショニング”は引き続き新型コロナウィルスの影響下にある現在の主流コミッショニング手法となり、順調に実績を重ねて続けています。

    [DIA-SOx® コミッショニング担当]

39.ホームページの搭載船例:2020.10.1 UP

  • スクラバー搭載船(例)のリアルな3Dモデルができました!

    当ホームページの3Dモデルをご覧になりましたか? DIA-SOxスクラバー搭載船の3Dモデルは、スクラバーの搭載イメージをよりリアルに見せるため、 スクラバータワーの見せ方や影の表現などを工夫して作り込みました。 特にスクラバーケーシングや海面の作成においては、モデルの材質を変えてみたり、光源の位置や強弱を調整したりなど、様々な試行錯誤を繰り返して作成しています。 こうして作ったリアルな3Dモデルを見ると、外観やスクラバーケーシング内部の複雑な構造がよりわかりやすく表現でき、スクラバーの搭載設計と搭載工事のイメージを掴みやすくなります。 まだ見ていない方は、ぜひ一度ご覧ください!

    [DIA-SOx® WEB担当]

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38.コミッショニング1:2020.10.1 UP

  • スクラバーコミッショニング概要

    当社スクラバー装置のコミッショニングでは、以下の項目から作業を開始します。

    • 排ガスダンパーの作動確認
    • 海水ポンプ、遠隔弁類の作動確認
    • 排ガスセンサー、水センサーの校正と作動確認
    • シ制御装置による遠隔監視、自動制御の確認

    スクラバーを構成する各機器の調整と作動確認から始め、スクラバー装置全体の調整と作動確認へと至る手順です。
    その後、海上運転で機関からの排気ガスを実際にスクラバー装置に通気し、本船運航状態で正常にスクラバー装置が作動する事まで確認し、コミッショニング完了としています。

    [DIA-SOx® コミッショニング担当]

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37.ESI(Environmental Ship Index):2020.10.1 UP

  • 環境船舶指数ESIとは?

    船舶から排出されるNOx,SOx,PM,CO2など大気汚染物質の削減を目的に環境負荷の少ない船舶を評価・認証する指数が環境船舶指数(ESI値)です。
    国際港湾協会(IAPH)主導のもと世界の港湾が結成した世界港湾気候イニシアティブWPCI(World Ports Climate Initiative)が主導するプログラムで、参加する港湾は登録船舶のESI値に応じて入港料の減免などのインセンティブを与えることで環境負荷の少ない船舶の入港を促進し、もって港湾地域での大気環境の改善を企図しています。 ロッテルダム、釜山をはじめ日本では東京港、横浜港が本プログラムに参加しています。
    DIA-SOxスクラバシステムを採用されたお客様の中でも搭載船に関しESI認証を受ける例が増えてきています。

    [DIA-SOx® 基本設計担当]

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36.EGCSガイドライン3:2020.9.10 UP

  • 善良な"Early movers"を守る

    2019年2月に開催されたPPR6(Pollution Prevention and Response)で、複数の代表団がEGCSガイドライン改正審議が遅れていることに遺憾の意を表明し、海運セクターに不確実性を生み出す危険性があることを強調しました。
    つまり、2020年のグローバルキャップに対し早期に準備を進めてきた”Early movers"と呼ばれる善良な船主が所有する船舶が、IMOの枠組みやその他地域のローカル規制によってスクラバー排水を制限する措置がとられた場合にあっても罰せられるべきではないということを主張しました。

    [DIA-SOx® 基本設計担当]

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35.EGCSガイドライン2:2020.9.10 UP

  • スクラバー排水規制見直しの機運

    2019年2月に開催されたPPR6(Pollution Prevention and Response)で、2020年中の改正ガイドライン発効を目指し、2015 EGCSガイドライン改正案(Exhaust Gas Cleaning System)が審議されました。
    審議の中で、スクラバー排水の更なる環境影響調査を実施すべしと意見が出され、ガイドライン改正に向けた科学的調査を加盟国で行うことになりました。
    日本代表団もこれに参加し、オープンループスクラバーからの排水が環境に与える影響を評価し、オープンループ方式の科学的正当性を示すことを表明しました。

    [DIA-SOx® 基本設計担当]

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34.EGCSガイドライン1:2020.9.10 UP

  • 改正EGCSガイドラインの行方

    2019年2月に開催されたPPR6(Pollution Prevention and Response)で、2020年中の改正ガイドライン発効を目指し、2015 EGCSガイドライン改正案(Exhaust Gas Cleaning System)が審議されました。
    審議の中で、改正ガイドラインはある定められた日以降に船上に搭載されるEGCSにのみ適用され、2015 EGCSガイドラインに従って承認されたEGCSに関しては改正ガイドラインに依拠した再承認は必要ないことが確認されました。
    改正ガイドラインはIMOの規約上採択後少なくとも6か月の周知期間を経て発効に至ることになります。

    [DIA-SOx® 基本設計担当]

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33.航路分析:2020.9.10 UP

  • ランニングコストと航路

    「スクラバーを付ける前と付けた後で、年間のランニングコストはどう変わるのだろう?」
    これはお客様の船が、どこでどのように運航されているかで変わります。
    当社ではご要望により、お客様の船が普段どのような航路を走っているのかをAISトラッキングツールで調査し、一般海域とECAエリアの航行時間、港での停泊時間、船速などの情報から、燃料の消費量、ハイブリッド用中和剤の消費量等を求め、大まかなランニングコストを推定することが可能です。

    [DIA-SOx® 基本設計担当]

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32.搭載エンジニアリング3:2020.9.10 UP

  • スクラバー洗浄水の排水能力

    スクラバーを搭載するときに注意するべき項目の一つに、「スクラバー洗浄水の排水能力」があります。
    スクラバーメーカーから指定される排水口のサイズと形状以外にも、配管の口径選定・配管コースの設計など、排水能力を決める要素は多数あり、そのどれか一つが足りないだけで、スクラバーの定格性能が発揮できなくなります。 当社では造船所として多数の新造船を建造した技術と実績をもとに、搭載船に適した設計を行い、お客様に最適なスクラバー搭載エンジニアリングを素早く提供できる体制を整えております。
    当社製・他社製スクラバーを問わず、スクラバー搭載をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

    [DIA-SOx® 搭載エンジニアリング担当]

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31.搭載エンジニアリング2:2020.9.10 UP

  • 痒い所まで手が届く・・・

    ある日ある時、お客様から連絡が。
    「三菱造船から提出された部品の仕様書を基に、部品メーカーの図面をもらったけど、図面内容をチェックしてくれる?」
    また、別の日、別のお客様から。
    「修繕ヤードに図面を渡したけど、修繕ヤードの部品手配に時間がかかり、工事に間に合わない。部品の納期遅れを取り戻す方法はない?」
    またまた別の日、またまた別のお客様から。
    「工程に余裕がないのに、修繕ヤードが部品を誤作した。短時間で解決できる、良い方法はない?」

    モノを作っていると色々なことがありますが、そんなお客様のお困り事にも出来る限りお応えします。 「痒い所まで手が届く」エンジニアリング。それが私たち三菱造船のエンジニアリングです。

    [DIA-SOx® 搭載エンジニアリング担当]

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30.搭載エンジニアリング1:2020.9.10 UP

  • "設計"ではなく"エンジニアリング"

    環境にやさしいSOxスクラバー。でも、就航船に後から搭載(レトロフィット)するのは、結構大変です。
    船の性能とスクラバーの性能を最大限発揮させるには、船にスクラバーを載せて動かせば良いだけではなく、スクラバーを搭載した後の船の姿を考えながら設計する必要があります。
    例えば、船の強度に問題はないか? 船の荷物はこれまで通りに積めるか? 発電機の容量に不足はないか?など、スクラバー搭載後のシステム全体像を予測して設計することが重要です。
    当社ではこれを「エンジニアリング」と呼んでおり、これまでの建造船や修繕船での豊富な経験を活かし、船そのものの性能にも気を配りながら、お客様のご要望に最適化した「スクラバー搭載エンジニアリング」を行っています。
    もちろん、他社で設計・建造された船(大きな声では言えませんが、他社製のスクラバーも)でもお受けしておりますので、スクラバーの搭載をお考えの方は、是非お気軽にお声がけ下さい。

    [DIA-SOx® 搭載エンジニアリング担当]

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29.スクラバー選定のポイント:2020.8.19 UP

  • タワーの形状

    スクラバータワーの直径は処理排ガスの体積流量【m3/h】に⼤きく依存します。 引合時に処理排ガスの質量流量【ton/h】とスクラバー⼊⼝の排ガス温度をお聞きするのはこの体積流量を計算するためです。
    但しこの体積流量は機関の燃焼状態や気温などにより⼤きく変動します。
    このスクラバーは燃料費を⼤きく削減できる重要な補機ですので、なおさら上述のような外的要因による⼊⼝条件の変化が多少あっても⽀障なく運転できるよう余裕を持ったタワー径を選定しておくべきです。
    ⼀⽅でスクラバータワーはこれまで搭載の容易性という視点だけが重視されすぎて、より⼩さく、より軽い形状を良しとする傾向がありました。
    ボイラー、排ガスエコノマイザ―、ポンプやプレートクーラーなどの機関補機は適切な余裕を持たせるため、スクラバータワーだけは異質な⽬で⾒られてきました。
    しかし最近では冷静に技術背景を理解して戦略的に余裕をもったタワー形状を選定し、外的要因に因らず安⼼して排ガス処理ができるよう希望する船主様が増えてきました。

    [DIA-SOx® 開発担当]

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28.DIA-SOx®開発ストーリー2:2020.8.19 UP

  • 陸上の海⽔オープンループ洗浄試験は⼤変

    C重油焚き舶⽤ディーゼルエンジンの排ガスを洗浄するスクラバパイロットプラントを設置した当社⻑崎研究所燃焼研究室(当時)は海から離れたところに⽴地しているため、 地理的に海⽔を取⽔できませんでした。
    そこで海⽔オープンループ試験をする時は朝から運転⼿さん付き⼤型トラックを⼿配して近くまで海⽔を何度も汲みに⾏ってもらい、海⽔供給タンクに補充しながら試験を継続しました。
    制限時間内に海⽔を取ってきて補充しないと連続運転できないため、関係者のチームワークが成否を左右する作業でした。
    ちなみに研究所近くの海⽔はpHが8.2〜8.4でした。

    [DIA-SOx® 開発担当]

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27.DIA-SOx®開発ストーリー1:2020.8.19 UP

  • はじまり

    当社と三菱化⼯機はもともと舶⽤ディーゼルエンジン⽤EGR(排ガス再循環装置)スクラバの開発を共同で⾏っていましたが、2012年SOxスクラバについても本格的に開発を進めることになりました。
    2013年春には当社⻑崎研究所燃焼研究室(当時)にC重油焚き舶⽤ディーゼルエンジンの排ガスを洗浄するスクラバパイロットプラントが完成し、それまで⾏ってきたクローズドループ⽅式の排ガス洗浄試験に加えオープンループ⽅式の試験も開始しました。
    このパイロットプラントでは海⽔量が排ガス洗浄能⼒や排⽔性状に及ぼす影響など様々な実証試験が⾏われ、この試験で蓄積してきた膨⼤な運転データが今⽇のDIA-SOx製品の礎になっています。
    両社から集まった開発メンバーは6名。
    試験開始当初、様々なトラブルに⾒舞われながらも寝⾷を共にし技術者として新しい製品を⽣み出したいという思いを共有していく中で、いつしか組織の壁を越え⼀体となって要素技術を確⽴していったのでした。

    [DIA-SOx® 開発担当]

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26.搭載エンジニアリング7(短絡電流):2018.12.07 UP

  • 就航船にスクラバーを搭載する際には既装備の遮断器で適切に短絡電流を遮断できるか工事前に確認する必要があります。

    船には船内の電気機器に給電するするために発電機が装備されています。発電機で発電された電気を配電盤/分電盤経由で各電気機器へ給電しています。給電経路や電気機器内で、電気が流れる導体同士が接触する短絡事故が発生すると定格電流を大幅に超えた大電流(短絡電流)が流れてしまい、適切な保護装置を持たない場合には、発電機を含め船上の電気機器が復旧不可能な損傷を受けたり、電気機器から火災が発生するなどの危険があります。そのような事態を避けるため、配電盤/分電盤内に適切な遮断器(ブレーカ)を装備し、事故点を速やかに切離し、他へ影響を与えないようになっています。 就航船にスクラバーを搭載する際には比較的大容量の海水ポンプが追加されるため、これによって短絡電流も増えることになります。この増えた短絡電流を既装備の遮断器で適切に電気機器から遮断できるか工事前に確認する必要があります。

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25.搭載エンジニアリング6(艤装数):2018.11.28 UP

  • 搭載エンジニアリングの初期段階で「艤装数」への影響を確認し、付帯工事を最少にする設計アプローチが必要です。

    船には海上で潮流や風にさらされながらもその場に留まるために、錨・錨鎖や係船索など「係船設備」が備えられています。この係船設備の数や強さは、「艤装数」と呼ばれる船が潮流や風から受ける力の大きさの程度を表す数値により決められています。「艤装数」は船級協会規則で規定された計算式により、船の排水量、幅、満載喫水線上の側面積などから算出されます。船内にスクラバータワーを搭載するために、タワーを格納する大きな構造物を新設または増設する場合、この構造物が「艤装数」に影響を及ぼすケースが少なからずあります。「艤装数」が規定値以上になると、係船設備の変更を要求されますので、搭載エンジニアリングの初期段階で「艤装数」への影響を確認し、付帯工事を最少にする設計アプローチが必要です。

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24.搭載エンジニアリング5(復原性):2018.11.21 UP

  • 船は船体にかかる重力と船体が押しのけた水が元に戻ろうとする力(浮力)がバランスすることにより海の上で姿勢を保っています。

    船は、波や風などの外力を受けて傾くと、もとの姿勢に戻ろうとします。
    この元に戻ろうとする力は、重心(船の重さの中心)と浮心(浮力の中心)の位置関係を元の状態に戻そうとする復原力であり、重心が低いほど「復原力」が増し船が安定します。 スクラバータワーは背が高く船の上部に設置されますので、ほとんどのケースで船の重心位置が上昇し、「復原力」は減少します。従ってこれまでの一般的な修繕工事などとは設計アプローチが異なり、船の基本性能として「復原性」を再検証し、スクラバーシステム搭載後も安全に航行できるよう慎重に搭載エンジニアリングを進める必要があります。

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23.搭載エンジニアリング4(共振):2018.11.14 UP

  • 機器や構造物にはそれぞれ固有の揺れやすい周波数(固有振動数)があります。

    外部からこれを揺らそうとする起振力の周波数(起振周波数)が固有振動数に近くなると、機器や構造物が急激に大きな振動をする共振と呼ばれる現象を起こします。この共振が起こると機器や構造物が大きく揺らされ、船であれば乗り心地が悪くなったり、各種装置や船体構造の機能に有害な影響を与えることがあります。 基本的にスクラバーシステム要素機器配置は起振源が多い船尾区画(プロペラの影響)や機関室(ディーゼルエンジン等の影響)に計画されることになり、特にスクラバータワーは背が高く船の上部に設置されますので、これまでの一般的な修繕工事などとは設計アプローチが異なり、数値シミュレーションなどにより固有振動数を把握し起振周波数との共振を回避しておくことが重要です。

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22.IMO海洋環境保護委員会第73回会合(MEPC73):2018.11.07 UP

  • 国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会は2018年10月22~26日に開いた会合(MEPC73)で、船舶燃料に対する国際的な環境規制を強化することで合意しました。

    これまでに2020年1月から硫黄分が0.5%を超える燃料の使用を禁止することが決まっていましたが、2020年3月からは燃料に使用する目的で硫黄分が0.5%を超える燃料を「保持」することも禁止されます。2020年から始まる燃料規制を徹底する狙いです。

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21.搭載エンジニアリング3(電力積上げ):2018.10.31 UP

  • 新造船を計画するときは船上に搭載する電気機器をリストアップし、これに必要な電力を積算して発電機の容量を決めますので、スクラバーシステムに必要な電力も最初から計算に加えておけばあまり問題にはなりません。

    多くのレトロフィットのケースでは、対象船の新造計画時にスクラバーのことなど考慮していないのが普通ですから、発電機がどの程度余裕をもって計画されているかでスクラバー搭載の難易度が大きく変わります。弊社ではこれまでスクラバーシステムのレトロフィット検討を70件程度行ってきましたが、発電機容量が不足するためスクラバーを搭載できない事例は全体の10%以下でした。

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20.搭載エンジニアリング2(3次元レーザースキャナーによる配置検討):2018.10.24 UP

  • 3次元レーザースキャナーは、測定対象空間にレーザーパルスを照射し、対象空間に存在する船殻・配管・補機器等測定対象物に反射して帰ってきた反射波と照射波の位相差を比較することで反射点までの距離を算出します。またレーザーを発射した角度から反射点の位置を特定します。

    このレーザーパルスの照射を連続的に行い数千万点の位置と距離情報もつ反射点を集めて3次元表示すると測定対象物の輪郭がくっきり見えるようになります。最近では安価なレーザースキャナーも出てきており、スキャン自体はだれでも手軽にできるようになってきました。重要なのはその先の話で、この「点群データ」をもとにいかに早く、正確に工事図面と配管などの生産図面を作れるかがエンジニアリングの質を左右します。当社グループでは3次元レーザースキャナーを活用した原子力発電プラントの改造工事を10年程前から行っており、その手法やノウハウを活用してこれまで自動車運搬船、コンテナ船、大型タンカー、バルクキャリアー等多くのレトロフィットエンジニアリングを行ってきました。2018年8月に行ったスクラバー搭載のための3次元レーザー計測では、本船の停泊時間が短く、かつ広範な空間データが必要になったため、レーザースキャナーを船内に2台持ち込み並行して計測することでお客様のご要望に応えることができました。

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19.搭載エンジニアリング1(機関背圧):2018.10.17 UP

  • 機関排ガス過給機出口の背圧(過給機出口から煙突開口端までの通り抜けにくさ)は機関負荷(ガス量)の増大に伴って上昇します。

    背圧が変動すること自体はスクラバー搭載の有無にかかわらず起こることなので問題ではありません。注意が必要なのは機関排ガス過給機出口の”最大”背圧です。最大背圧は各機関毎に推奨値があります。背圧は排ガス管口径、曲げや合流・分岐形状などによっても大きく変わります。特にスクラバーレトロフィットの場合は更に配置上の制約も加わるため、新造時とは異なる特別な配慮が必要になります。

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18.IMO EGCSガイドライン(SOx排出規制値)とは何?:2018.10.10 UP

  • MARPOL条約(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships:海洋汚染防止条約)附属書Ⅵ第14規則では、 ECA以外の一般海域においても2020年1月1日以降硫黄分が0.5%を超えない燃料油を使用することが規定されています。また第4規則ではこの燃料油中硫黄分を規制するのと同等の効力を有するスクラバーをはじめとする排ガス浄化装置の使用が認められています。

    排ガス浄化装置ガイドライン(IMO MEPC.259(68)”2015 Guidelines for Exhaust Gas Cleaning System”)ではこの「同等の効力」を証明するため浄化装置出口排ガスのSO2(ppm)/CO2(重量%)比を用いた評価をするよう規定されていて、硫黄分濃度3.5%、0.5%、0.1%の燃料油を燃焼させた場合のSO2/CO2比はそれぞれ151.7、21.7、4.3とすることもあわせて定義されています。

    排ガス浄化装置の性能は「脱硫率」という指標で表され、例えば硫黄分濃度3.5%の燃料油の使用に際し、硫黄分濃度0.1%燃料油燃焼時相当のSOx排出量まで排ガスを浄化する装置の脱硫率は(151.7-4.3)/151.7x100=97.2% になります。

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17.燃料油硫黄分の規制対象となる船内機器は何?:2018.10.04 UP

  • MARPOL条約(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships:海洋汚染防止条約)附属書Ⅵ第14規則では、船舶で使用される全ての燃料油に適用されます。

    主機関、発電機関はもちろんIGG(Inert Gas Generator)、ボイラー、焼却炉も規制に適合した燃料油の使用が要求されます。

    但し、IMO EGCS ガイドラインでは焼却炉は適用対象外になっています。これは燃料油ではないものも燃焼するため、燃料油中の硫黄分濃度と排ガス中のSO2/CO2を使用した評価方法が適用できないためです。 また非常用発電機関を訓練、作動確認及び非常時以外で使用する場合においては規制に適合した燃料油の使用が要求される可能性がありますので注意が必要です。

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16.SOxスクラバー搭載によるメリットは?投資回収期間は?

  • スクラバーを搭載することで比較的安価な高硫黄C重油など従来燃料の継続使用が可能となり、燃料費を削減することができます。

    低硫黄燃料は従来燃料に比べて高価です。
    スクラバーを搭載することで従来燃料の継続使用が可能となり、低硫黄燃料を使用した場合に比べて燃料費を抑えることができます。

    弊社の検討例では、スクラバー設置の投資回収期間は2年から5年と試算されるケースがほとんどです。

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15.必要なメンテナンスを教えてほしい。

  • センサー類の校正及び定期点検があります。
    ダンパ、ファン、ポンプ等の機器は通常のメンテナンスが必要です。

    タワーについては可動部がなく、通常の使用ではメンテナンスはほぼ必要ありません。

    シールエアファン、ポンプ等の回転機器は定期的なメンテナンスが必要です。
    また、監視装置(センサー類)はコンプライアンスを担保するため、定期的な校正がガイドラインで規定されています。

    尚、詳細な点検要領は監視装置メーカー標準に従うことになります。
    排水については、本船更新検査毎にサンプルを取水し陸上の検査機関で硝酸塩濃度を分析する必要があります。

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14.スクラバー装置の操作、監視はどうやって行うの?

  • 機関制御室等にタッチパネルを設置し、遠隔操作、遠隔監視します。

    タッチパネル式のHMI(Human Machine Interface)を機関制御室に設置しここから遠隔で行います。
    通常機関制御室に設置されるHMIには主に以下機能が備わっています。

    • システムの状態監視
    • システムの自動発停(含主要バルブ開閉・ポンプ発停)
    • 排ガスダンパーの切り替え
    • システム危急停止
    • オープンモードとクローズドモードの切り替え(ハイブリッドシステムのみ)
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13.レトロフィットと新造の違いは何?

  • レトロフィットの場合は、船の既存設備の改造などが必要になります。

    スクラバー本体はレトロフィットと新造船での違いはありません。
    レトロフィットの場合は、搭載する船側の既存設備改造、船体構造補強などが必要になります。
    弊社ではレトロフィット搭載に関するエンジニアリングも行っています。

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12.スクラバータワーの材料には、なにを使用しているの?

  • 海水と酸への耐性が求められる為、対腐食性の高い材料を使用しています。

    主としてスクラバータワーの材料には2相ステンレスを採用しています。
    また、排ガス導入部は高温排ガスと海水が最初に接触し最も厳しい腐食環境となるため、高耐食ステンレス鋼を採用しています。

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11.スクラバー装置は何か承認が必要なの?

  • EGCSユニットの承認を受けるスキームAと、SOx放出量を監視し適合を実証するスキームB、いずれかの承認スキーム適用が必要となります。

    MARPOL条約附属書Ⅵ第4規則では、EGCSは搭載船主管庁による承認を受ける必要がある旨規定されています。
    IMO EGCSガイドラインではその具体的方法としてScheme-A及びScheme-Bが規定されています。

    • Scheme-A:脱硫性能試験結果に基づいてそのEGCS承認し、就航中は運転パラメーターの監視によりその適合性を実証する方法
    • Scheme-B:排ガス監視装置を承認し、就航中は監視装置による排ガス性状の連続モニタリングによりその適合性を実証する方法

    Scheme-Aによる認証は陸上等でのフルスケール試験を実施する必要があるため、Scheme-Bにより主管庁の承認を受けるほうが現実的なようです。

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10.IMO EGCSガイドライン(排水硝酸塩排出基準)とは何?

  • 洗浄水排水の硝酸塩濃度を制限するものです。

    以下のいずれか高い方を超えてはいけません。
    常時監視の必要はありませんが、船舶更新検査時に硝酸塩排出データを提出できるよう検査の3か月前までに排水サンプルを採取し、陸上検査機関などで分析する必要があります。

    • 排ガス中のNOx排出量の12%
    • 45t/MWh洗浄水に対して 60mg/L の硝酸塩濃度
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9.IMO EGCSガイドライン(排水PAH排出基準)とは何?

  • 洗浄水排水中に含まれる多環芳放香族炭化水素を制限するものです。

    例えば、取水と排水のPAH濃度差が洗浄水量 45t/MWh において 50 µg/L PAHphe を超えてはいけません。
    運用中の監視が義務付けられています。

    ★PAHとはPolycyclic Aromatic Hydrocarbons(多環芳香族炭化水素)の略称です。

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8.IMO EGCSガイドライン(排水濁度排出基準)とは何?

  • 洗浄水排水の濁り(Turbidity)を制限するものです。

    取水と排水の濁度差が25FNUs 又は 25NTUs を超えてはいけません。
    運用中の監視が義務付けられています。

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7.IMO EGCSガイドライン(排水PH排出基準)とは何?

  • 洗浄水排水の酸性度を制限するものです。

    以下のどちらかを満たすことが求められ、運用中の監視が義務付けられています。

    • 洗浄水排水のpHは6.5以上(但し操船中及び航行中は取水と排水のpH差が2以内であれば良いです)
    • 船舶が静止した状態で船外排出口から4m先でpH6.5以上
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6.IMO EGCS ガイドラインとは何?

  • IMOで定められた、世界共通の舶用SOxスクラバーの指針です。

    MARPOL条約附属書Ⅵ第4規則では低硫黄燃料油使用の代替手段として、燃料油燃焼装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を規制値以下に低減できる装置(EGCS:Exhaust Gas Cleaning System)を使用することが認められています。

    この代替装置の指針として、IMO MEPC.259(68)”2015 Guidelines for Exhaust Gas Cleaning System”が採択されており、SOxスクラバーの技術的な要件、運用上の要件が記されています。

    ★EGCSとはExhaust Gas Cleaning Systemの略です。排ガス浄化装置を意味し、SOxスクラバーもこれに含まれます。

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5.海水の性状がスクラバーに影響するの?

  • スクラバーの脱硫性能は、海水のアルカリ度により影響を受けます。

    海水のアルカリ度が低いとSOx洗浄による海水の酸性化に対する緩衝能力も低くなります。
    これは海水単位量当たりの脱硫能力が小さいということを意味しますので、アルカリ度の低い淡水域などでは、所定の脱硫性能を達成するために多量の海水が必要になります。

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4.SOxスクラバーはどうやって排ガスからSOxを除去するの?

  • SOxを海水に吸収させて除去します。

    排ガス中のSOxは、スクラバー内で洗浄水(海水)と気液接触し海水中に吸収除去されます。
    SOxの大部分はSO2(二酸化硫黄)であり、SO2が水に溶解すると亜硫酸水素塩と亜硫酸塩となり、酸素を含む海水中ではこれらが酸化され硫酸塩となります。
    生成した硫酸塩は海水中に大量に含まれているものなので海洋環境に対する影響はほとんどないとされています。

    SO2 + H2O→H2SO3(亜硫酸)→H⁺ + HSO3 ⁻(亜硫酸水素塩)
    HSO 3 ⁻(亜硫酸水素塩)→H⁺ + SO3 ²⁻(亜硫酸塩)
    SO3²⁻(亜硫酸塩)+ 1 / 2O2 SO4 ²⁻(硫酸塩)

    亜硫酸塩ができることで洗浄水は酸性を帯びますが、海水のアルカリ度によってある程度中和されます。
    しかし、一旦海水の持つ中和能力が消費されてしまい酸性度が強くなると海水の脱硫能力が落ちます。
    そのため、海水を循環して排ガスを洗浄するクローズドループでは、苛性ソーダなどによりアルカリ成分を適宜補給することが必要になります。

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3.SECAとは何?

  • 欧州の北海およびバルト海や北米沿岸海域など硫黄酸化物の排出規制海域のことです。

    この海域を航行する船舶は2015年1月1日以降、硫黄分が0.1%を超えない燃料油の使用が強制化されています。

    ★SECAとは「Sulphur Emission Control Area」の略です。

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2.SOxってどんなもの?

  • 燃料油に含まれる硫黄分が燃焼することで発生するガスのことです。

    大気汚染による酸性雨やぜんそくの原因の一つにもなっています。

    ★SOxとは一酸化硫黄(SO)、二酸化硫黄(SO2)や三酸化硫黄(SO3)など硫黄酸化物の総称ですが、IMO EGCSガイドラインでは排ガス中に最も多く存在するSO2が代表物質として規制の対象となっています。

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1.船舶の排ガスSOx規制とは何?

  • マルポール条約(海洋汚染防止条約)附属書VI第14規則により、船舶からのSOxガスの削減の為に義務付けされた規制のことです。

    船舶からの排ガスによる大気環境への負荷低減が求められている中、排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)の排出を抑制するため、船舶が使用する燃料油中の硫黄分濃度に係る規制が段階的に強化されることがMARPOL条約(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships:海洋汚染防止条約)附属書Ⅵ第14規則に規定されています。
    この規制により欧州の北海およびバルト海や北米沿岸海域など汚染物質の排出規制海域(ECA:Emission Control Area)では2015年1月1日以降、硫黄分が0.1%を超えない燃料油の使用が強制化されました。
    また、ECA以外の一般海域においても2020年1月1日以降0.5%を超えない燃料油を使用することが義務付けられます。
    MARPOL条約附属書Ⅵ第4規則では低硫黄燃料油やガス燃料使用の代替手段として、燃料油燃焼装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を規制値以下に低減できる装置(EGCS:Exhaust Gas Cleaning System)を使用することが認められています。

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三菱重工グループの実績