事業・知的財産・研究開発の一体活動
三菱重工グループは、事業戦略、知的財産戦略および研究開発戦略が一体となった経営戦略を展開しています。具体的には、事業部門ごとに経営戦略を軸とした事業戦略、知的財産戦略および研究開発戦略を策定し、事業部門、知的財産部門および研究開発部門が密接な連携を取りながら、それらの戦略を遂行しています。 また、全事業部門の知的財産戦略を知的財産部門が統括することで、三菱重工グループ全体としての知的財産戦略の実現、企業価値の更なる向上を図っています。

基本方針
三菱重工グループは、「長い歴史の中で培われた技術に最先端の知見を取り入れ、変化する社会課題の解決に挑み、人々の豊かな暮らしを実現する」企業を目指します。当社グループのDNAともいうべき「強み」は、社会を支えるインフラシステムや陸・海・空で国の安全保障を支える製品、宇宙・深海などの未踏の分野の製品を製造し、提供をしてきたことにあります。
近年では、気候変動、デジタル化、サイバー攻撃など、新たな社会課題への対応が求められており、グリーン社会の実現、便利で快適な社会生活、安全・安心な社会の構築に引き続き取り組んでいきます。特に、エネルギーの安定供給、経済性、安全・安⼼がバランスしたカーボンニュートラルへの取り組みを通じて、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
上記取り組みの中で、知的財産活動においては、次の2点を基本方針に掲げ、2021事業計画(21事計)で掲げた目標達成に貢献していきます。
・研究開発設計の成果や自社技術を知的財産でグロ―バルに保護・活用する。
・他者の知的財産権を尊重し、適切に対応する。
特許保有件数推移(注1)
年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 13,733 件 | 14,174 件 | 14,665 件 | 15,081 件 | 14,368 件 |
米国 | 3,711 件 | 3,888 件 | 4,154 件 | 4,494 件 | 4,658 件 |
欧州(注2) | 1,913 件 | 2,324 件 | 2,869 件 | 3,193 件 | 3,259 件 |
中国 | 2,641 件 | 2,815 件 | 2,995 件 | 3,200 件 | 3,369 件 |
- 1数値は各年末時点での三菱重工+主要連結子会社の件数
- 2権利継続中の欧州広域特許の件数
教育・人材育成
知的財産要員の育成と活用については、国内・海外における知的財産研修や、事業部門、研究開発部門との社内ローテーションなどを計画的に行い、個人及び知的財産部門全体の能力アップ、必要な専門能力の取得に繋がるよう努めています。
リスクマネジメント
三菱重工グループは、知的財産の適正な保護や積極的な活用に努めるとともに、他者の有効な知的財産を尊重することを基本的な姿勢としています。
三菱重工グループは、グローバル展開を加速させるために、海外でのM&A、アライアンス及び海外拠点の整備に積極的に取り組んでいますが、世界的にもM&Aが拡大しており、知的財産に関する外部環境やリスク要因は時々刻々変化しています。そのような状況下においても、事業を展開する上で他者の知的財産を侵害することがないように、製品の基本計画、設計、製造の各段階で他者が保有する知的財産を十分に調査することによって、知的財産にかかる国際間のトラブル発生の未然防止に努めています。
模倣品対策
三菱重工グループは、三菱重工グループ製品の模倣行為等、三菱重工グループの保有に係る知的財産権への侵害行為に対して、毅然とした対応を取ります。
三菱重工グループは、お客様に安心して三菱重工グループ製品をご購入して頂けるよう、三菱重工グループ製品の模倣品等の知的財産権の侵害品に対しては、侵害品の製造・販売の取締まり、税関における輸出入の差止め、啓発活動など、各国捜査機関及びその他の公的機関等の関係各所と連携の上、多様な対策・活動を実施しております。