本論文では,高速油圧アクチュエータを使った可変バルブ試験装置(Engine Valve Control System: EVC)の特徴及び適用事例を紹介する.EVCは,カムの代わりに油圧アクチュエータでバルブを駆動することによって任意のバルブリフトパターン(以後,リフトパターンと記す)を再現するエンジン試験装置であり,自由度が高く,高回転まで追従できることが特徴である.本稿では,始めに,高い応答性を実現するための油圧·制御技術について述べる.続いて,EVCを実際にエンジンへ搭載してファイヤリング試験を行った事例として,多気筒エンジンへの搭載試験及び,新燃焼技術研究への適用の2例を紹介し,EVCが,信頼性の高い試験の実施及び試験期間短縮に大きく貢献できることを示す.