Vol. 61 No. 4 (2024)   原子力特集
技術論文
革新軽水炉SRZ®-1200における世界最高水準の安全性を目指した基本設計

Basic Design of SRZ-1200 Advanced Light Water Reactor for the World's Highest Level of Safety
川田直輝
Naoki Kawata
荻野隆史
Takafumi Ogino
桐田晃
Akira Kirita
谷川義行
Yoshiyuki Tanigawa
森健太郎
Kentaro Mori
髙橋康文
Yasufumi Takahashi
川田直輝
荻野隆史
桐田晃
谷川義行
森健太郎
髙橋康文
SRZ-1200は,福島第一原子力発電所事故を反映した国内新規制基準に適合しつつ,世界最高水準の安全性を有する革新軽水炉である。原子力発電所で重大な事故が起こる確率,格納容器の機能不全が起こる確率を示す炉心損傷頻度と格納容器機能喪失頻度は,国が示した目標の1/10とし,これを実現するために,安全設計上想定する事故に対して,炉心の著しい損傷を防止するための設備である設計基準対象施設の多重性·多様性の強化や区画分離の徹底による設備の同時機能喪失防止等を安全設計方針として定めている。本報では,設計基準対象施設のうち重要度の特に高い安全機能を有する系統の3系列化による多重性の強化,重大事故等対処設備の恒設化による安全性向上や専用の溶融炉心対応設備など,SRZ-1200の世界最高水準の安全性を実現するプラント基本設計について具体例とともに紹介する。

三菱重工技報