Press Information
◆ 5月から1年間、実際の運用状況における評価試験を実施
◆ 初期性能でメタン酸化率70%以上を確認、船舶からのGHG排出抑制に大きく貢献

舶用LNGエンジン向けメタン酸化触媒装置の陸上用試験装置
三菱重工グループの三菱重工マリンマシナリ株式会社(MHI-MME、社長:松永 勝秀、本社:長崎市)は、ダイハツインフィニアース株式会社(IE、社⾧:堀田 佳伸氏、本社:大阪市)と共同開発を進めていた舶用LNG(液化天然ガス)エンジン向けメタン酸化(注1)触媒装置の実証試験を5月に開始します。実証試験は、KEYS Bunkering West Japan株式会社(KEYS、社長:川本 賢一氏、本社:北九州市)の協力を得て、三菱造船株式会社(社長:上田 伸、本社:東京都港区)建造のLNGバンカリング船(注2)「KEYS Azalea」に実証機を搭載し、実施します。
実証試験を開始する触媒装置は、船舶エンジンの排ガスに含まれるスリップメタン(未燃メタン)を酸化処理します。メタンガスは、GHG(注3)である気体の中でも温室効果が高いため、その排出を抑制できることは、この装置の大きなメリットです。
本装置は、MHI-MMEの触媒装置の設計製造技術を中核に、三菱造船の造船技術、IEのエンジン最適化技術を融合して開発されました。このたび陸上でのエンジン検証試験において、メタン酸化率70%以上の初期性能を確認したため、1年間の継続した実証試験を行います。
三菱重工グループは、エナジートランジションの事業強化に戦略的に取り組んでいます。その一翼を担うMHI-MMEと三菱造船は、世界的に脱炭素への緊急性が高まる中、船舶からのGHG排出削減に継続して取り組むことにより、世界規模で進む船舶の環境性能向上に貢献していきます。
- 1メタン酸化:メタン(CH4)が酸素と反応して二酸化炭素(CO2)と水(H2O)に変化する化学反応。
- 2LNGバンカリング船:LNGを燃料とする船舶に対し、LNG燃料を供給する小型船。
- 3GHG:Green House Gas(温室効果ガス)で、CO2、スリップメタン、亜酸化二窒素(N2O)が対象。今回、実証試験をする触媒装置は、スリップメタンのみを対象とします。

実証機を搭載するLNGバンカリング船「KEYS Azalea」
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
詳しくは:
- 三菱重工グループのウェブサイト: www.mhi.com/jp
- オンラインマガジン SPECTRA: spectra.mhi.com/jp
- YouTube: Discover MHI
- X(旧Twitter): @MHI_Group | @MHI_GroupJP
- Instagram: @mhi_groupjp
- LinkedIn: Mitsubishi Heavy Industries をご覧ください。