Press Information

エネルギー脱炭素化の技術開発拠点「長崎カーボンニュートラルパーク」の運用を開始

Print

◆ 水素、バイオマス、アンモニアの利用促進を目指し、燃料製造や燃焼技術などの開発を推進
◆ 長崎地区にある既存の開発、設計、製造拠点を活用し、脱炭素社会実現に寄与するソリューションを提供

長崎カーボンニュートラルパーク

長崎カーボンニュートラルパーク

三菱重工業は、当社グループのエネルギー脱炭素化に関する技術開発を推進する中心拠点として「長崎カーボンニュートラルパーク」を長崎市に整備し、このほど運用を開始しました。順次、関連設備を拡充していく予定です。

具体的には、総合研究所長崎地区の水素製造、バイオマス合成燃料製造、アンモニア燃焼、CO2回収に関する既存の研究施設において燃料製造や燃焼技術、CO2回収技術などを開発するとともに、長崎造船所長崎工場、香焼工場で培ってきた各種熱エネルギー機器の設計・製造といった機能を活用しつつ、製品化や事業化に向けた研究開発を加速していきます。

このうち水素製造については、固体酸化物形電解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)による高度な水電解装置の開発に加え、メタンを熱分解することにより水素と固体炭素を得る水素製造(ターコイズ水素)など、次世代水素製造技術の研究開発に取り組んでいきます。長崎カーボンニュートラルパークでキー技術を開発した後、高砂水素パーク(注1)(兵庫県高砂市)での水素製造実証運転、水素ガスタービンとの連携した発電実証も実施する予定です。

また、バイオマス合成燃料製造については、バイオマスを原料としたガス化FT合成(注2)などによる持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)を含む、合成燃料製造設備の商用化に向けた取り組みを進めていきます。一方、アンモニア燃焼については、同地区にある大型燃焼試験炉で実機サイズのバーナーを用いた燃焼試験を実施した上で、2024年度以降に発電所の実機での高混焼実証試験を行う計画です。

三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成を掲げる「MISSION NET ZERO」に基づき、「既存インフラの脱炭素化」「水素エコシステムの実現」「CO2エコシステムの実現」の3つの取り組みを軸に、グループの成長エンジンであるエナジートランジションを推進しています。今後も、カーボンニュートラル社会の実現に向け、長崎カーボンニュートラルパークでの研究開発を通じて脱炭素化関連技術の実用化に取り組んでいきます。

  • 1高砂水素パークについて、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
    https://www.mhi.com/jp/news/220214.html
  • 2木質セルロースなど固形物をガス化炉で水蒸気および少量の酸素と反応させて一酸化炭素と水素を生成し(ガス化)、触媒を用いたFT反応器で液体炭化水素(燃料)を合成する技術です。

Tags: カーボンニュートラル,長崎,水素,バイオマス,アンモニア
mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: