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機能安全の国際規格「IEC 61508:2010(SIL3)」に準拠した制御システム
「DIASYS Netmation 4S」を開発

発行 第 207号
三菱重工業株式会社
テュフズードジャパン株式会社
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 三菱重工業(以下、三菱重工)は、機能安全の国際規格IEC 61508:2010(SIL3)に準拠した制御システム「DIASYS Netmation 4S(ディアシス・ネットメーション・フォース)」を開発しました。火力発電設備などを監視・制御する最新機種で、ハードウェアやソフトウェアへの要件事項の厳しい国際規格IEC 61508:2010を制御機能と保護機能を統合し全体でクリアした製品は世界的にも例が少なく、国内では初めてです。認証は、ドイツに本社を置く国際的な第三者試験認証機関テュフズードから取得したもので、三菱重工は世界最高水準の信頼性を認められたこの最新システムを2014年春から出荷していく計画です。

【DIASYS Netmation 4S】

 制御システムDIASYSシリーズは、1980年代から三菱重工製ガス/蒸気タービン、ボイラーなどの発電設備のほか、多様なインフラ製品や産業設備に用いられ、納入実績は5,000システム以上となっている製品です。
 今回開発したDIASYS Netmation 4Sは、このシリーズの最新機種となるもので、従来は専用制御システム内で独立させていた大型主要機器保護用の回路を、独立させる必要なく一般的な制御用回路と共存可能として、約200種類の要素で演算回路を作ることができるのが特徴です。演算部は最大4重化することができ、安全のみならず、高い稼働性と保守性を実現します。また、最大9万点の入出力信号を処理できる大容量性に加え、最速1msec(1/1,000秒)の高速処理を可能とするなど、従来よりも幅広い製品・機器に適用可能です。

 認証取得したIEC 61508:2010は、2000年に制定されたIEC 61508の第二版(2010年版)で、設計・開発に関するマネジメントシステム、ソフトウェアやセキュリティに関する要件が追加された規格です。

 IEC 61508は、機能安全のベースともいえる国際規格であり、各種プラントのみならず、今では自動車、鉄道、航空機、ファクトリーオートメーションなどの分野にも広がる規格です。自動車の安全基準であるISO 26262などもこれを基に制定されています。
 また、この規格では機器のハードウェアやソフトウェアの信頼性をSILという指標をもとに評価するようになっており、SIL3は火力発電・化学・環境などのプラント設備で求められる最高水準の安全性です。

 この規格を認証取得したDIASYS Netmation 4Sは、IEC 61508だけでなく、機械類の機能安全のメジャー規格であるIEC 62061やEN ISO 13849はもちろん、2012年に制定された制御コントローラの機能安全規格IEC 61131-6にもいち早く準拠した認証製品となっています。この規格を認証取得するのは、発電所向け制御システムではDIASYS Netmation 4Sが世界で初めてです。
  
 なお、DIASYS Netmation 4Sは、来春の出荷に先立って、11月に東京・有明の東京ビッグサイトで開催される「システム コントロール フェア2013」へ出展する計画です。

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ドイツに本社を置く第三者認証機関テュフズードグループの日本法人。テュフズードは、現在世界800以上の拠点にて(アジア・パシフィック地域は80以上)、18,800人に上る専門家を擁しており、認証、試験、コンサルティング、トレーニング(CTCT)ビジネスを展開しております。専門性の高いエンジニアによるきめ細かなサポートを通じて、各企業、団体のニーズに合わせた付加価値の高いサービスを提供しています。
テュフズードジャパンでは、現在、次の8つの部門において事業を展開しています。
1)電気・電子機器、2)鉄道、3)機能安全、4)EMC/テレコム、5)マネジメントシステム & 食品安全、6)オートモーティブ、7)スマートカード、8)医療機器。
また、各種セミナー、トレーニングも多数実施しております。

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Tags: 人事,アジア,コーポレート
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