重要課題(マテリアリティ)

三菱重工グループのマテリアリティ

三菱重工グループでは、社会課題の解決を通じて企業価値を向上させ、中長期的に成長していくために、当社グループが取り組んでいくべき重要課題(マテリアリティ)の特定を行いました。

近年、SDGs(国連「持続可能な開発目標」)採択やESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大、EUタクソノミー等、国際的な規範やガイドラインにおいてもサステナビリティの重要性が高まり、当社グループに影響を及ぼす可能性のあるメガトレンドも変化してきていることから、2015年に策定したマテリアリティを2020年に見直し、以下の通り、新たに5つのマテリアリティを特定したものです。 今回特定したマテリアリティは、中期経営計画(2020年10月発表の2021事業計画)に反映するとともにマテリアリティごとに目標を設定し、当社グループの非財務経営指標として定期的に進捗をモニタリングします。

マテリアリティ 社会課題 SDGs
事業を通じた貢献(事業系)
脱炭素社会に向けたエネルギー課題の解決
  • 気候変動の緩和
  • GHG排出量の削減
  • エネルギー・電力の安定供給
  • エネルギー効率の改善
  • 再生可能エネルギーの普及
  • 3R・サーキュラーエコノミーの推進
SDGs
SDGs
AI・デジタル化による社会の変革
  • AI・デジタル社会の進展
  • 労働力減少に対応する生産性向上
  • 設備老朽化への対応
  • 交通の安全性・利便性の向上
  • モビリティの脱炭素化
  • 移動ニーズの多様化
  • 増加する物流量への対応
SDGs
SDGs
安全・安心な社会の構築
  • 防衛による安全保障
  • 気候変動の適応
  • インフラの機能・耐久性の強化
  • インフラの合理化・効率化
  • 産業システム・IoTへのサイバー攻撃の阻止
  • パンデミックの防止と適切な対処
SDGs
SDGs
事業を支える基盤(コーポレート系)
ダイバーシティ推進とエンゲージメントの向上
  • 人材の育成・確保
  • 人権の尊重
  • ダイバーシティの推進
  • 労働生産性の向上
  • 労働における安全衛生
  • 健康経営の推進
SDGs
SDGs
コーポレートガバナンスの高度化
  • 組織統治
  • 法令・国際規範の遵守
  • 公正な競争・事業慣行
  • 全社リスクの把握・管理
  • 適切な情報開示
SDGs
SDGs

マテリアリティの特定プロセス

マテリアリティの再特定にあたっては、まずは当社グループの事業を棚卸し、SDGsやGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)スタンダード、ISO26000、SASBスタンダード、EUタクソノミー等の国際的な枠組みを整理した社会課題リストと紐づけを行いました。その上で、社会に対する影響度と自社における重要度の視点の双方を考慮し、マッピングを行いました。さらにCSR委員会を中心に検討を重ね、外部有識者との意見交換会で頂いたご意見を反映し、経営会議・取締役会での承認を経て策定しています。
今後は、導き出された5つのマテリアリティごとに全社目標/進捗モニタリング指標(KPI)を設定し、着実に活動を継続することで、サステナビリティ経営を推進していきます。

Step1 社会課題の整理
当社の事業・取組を棚卸し、SDGsやGRIスタンダード、ISO26000、SASBスタンダード、EUタクソノミー等の国際的な枠組みを整理した社会課題リストとの紐づけを行い、当社グループと関係のある37の社会課題テーマを特定
Step2 マテリアリティマップの作成
  • 社会課題の重要度を2軸で評価、マッピングを実施
    (縦軸: 社会に対する影響度、横軸: 自社における重要度下図「マテリアリティ特定の考え方」参照)
  • マテリアリティマップをもとに、9項目のマテリアリティを仮定
Step3 妥当性の検証
  • マテリアリティ検討会議(CSR委員会メンバー)で議論を行い、6項目のマテリアリティに絞り込みを実施
  • 外部有識者3名との意見交換会を実施
Step4 マテリアリティ特定
CSR委員会にてさらに5項目のマテリアリティに絞り込み、2020年9月の経営会議・取締役会を経て正式決定
Step5 全社目標/進捗モニタリング指標設定
マテリアリティの全社目標/進捗モニタリング指標を検討し、設定
(2020年度内に設定の上、Webサイト等で開示予定)

マテリアリティ特定の考え方

マテリアリティ特定の考え方

マテリアリティの特定について有識者との意見交換会を開催

2020年9月4日に、3名の有識者の方とマテリアリティ特定に関する意見交換会を開催し、それぞれの専門分野の知見に基づく貴重なご意見を頂きました。

意見交換会を開催
意見交換会を開催

有識者プロフィールとご意見

有識者プロフィール 意見概要
河口 眞理子 様

立教大学
21世紀社会デザイン研究科
特任教授

河口 眞理子 様

  • 世界が脱炭素に舵を切っている中、低炭素より脱炭素を打ち出す方が時代に即している。
  • 気候変動について適応の考え方も明示してはどうか。適応は三菱重工業に期待する分野の一つである。災害と気候変動はセットであると認識して見直すと、力強いメッセージになるのではないか。
後藤 敏彦 様

特定非営利活動法人
サステナビリティ
日本フォーラム
代表理事

後藤 敏彦 様

  • 2015 年に発表した前回のマテリアリティと比べ、会社の発展戦略を含む内容となっており、大きく改善している。
  • マテリアリティと中長期的な発展戦略との関係性を見せることが重要。
  • 社会課題を起点に自社の事業を考える視点(アウトサイドイン)があるとより良い。
  • 三菱重工業の半分以上が海外事業である中、、マテリアリティと人権の関係も意識して取りまとめていく必要がある。
坂田 一郎 様

東京大学大学院
工学系研究科
副学長・経営企画室長
教授(技術経営戦略学専攻)

坂田 一郎 様

  • 情報通信量の急増を伴うスマート化とエネルギー消費の増大のようなトレードオフを、乗り越えられるような内容を打ち出せると、事業戦略やマテリアリティにインパクトが出てくるだろう。
  • 三菱重工業の将来の成長も踏まえ、デジタルとデータについても何等か考慮できると、 より未来感のある話になるのではないか。それらは、より良い社会の実現に向けて、 新たな駆動力を与えてくれる要素である。

ご意見を受けて

有識者の皆さまからのご意見を踏まえ、当社グループの「気候変動」への対応を明確に打ち出すために「脱炭素」「エネルギー課題」をマテリアリティに反映しました。
加えて、「デジタル・データの活用」に関するご示唆を踏まえ、事業関連のマテリアリティとして、「AI・デジタル化」の項目を織り込むこととしました。また「人権の尊重」に関して、当社グループのグローバルでの事業活動の広がりを踏まえ、より重要な課題と位置付けてマテリアリティを設定しました。
「中長期的な発展戦略との関係」については、特定したマテリアリティを認識した上で中期事業計画を策定するとともに、マテリアリティの目標に関しては定期的なモニタリングを行っていきます。

2015年に策定した三菱重工グループの重要課題

  • 2015年度に策定した重要課題の詳細は、「ESG DATABOOK 2019」にて公開しています。

1. 組織文化ベースでの最適なガバナンスの構築

  • 事業を通じて持続的に社会に貢献するための組織確立
  • 公正な事業慣行・適正な労働慣行の遵守

【目標】

・グローバルな普遍性を共有する組織文化が確立されていること

【KPI】コンプライアンス通報件数

「三菱重工グループ グローバル行動基準」に対する違反行為や社会倫理に違反する行為もしくは違反の可能性がある行為(贈賄・腐 敗行為を含む)に直面した場合の報告ツールとして、グループ会社を含めた全社員を対象に「三菱重工コンプライアンス通報窓口」 ならびに「三菱重工社外通報窓口」を設置し、これら窓口へ通報のあった全案件に対して、コンプライアンス委員会事務局が速やか に調査し、事案の内容に応じて是正措置、再発防止策等の対応を適切に行っています。

通報件数の内訳

(件)

内訳 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
労働・職場環境 42 49 81 69
規律・マナー違反 28 17 13 13
取引関連法令 11 11 15 12
相談・意見 3 0 1 2
その他 34 36 32 44
合計(内、是正・改善件数) 118
(64)
113
(59)
142
(65)
140
(66)

2. グローバルベースの人的資源の活用

  • グローバル化に適合できる人材の確保・育成
  • ダイバーシティと機会均等(女性の活躍推進含む)

【目標】

・多様性が受けいれられている組織であること
(多様性を阻害する要因が取り除かれていること)

【KPI】女性管理職者数

2014年7月に「2020年までに女性管理職者数(課長相当職以上)を現状の3倍に引き上げる」目標を設定し、多様性を追求するダイバーシティマネジメントの一環として、女性の活躍を推進した結果、2020年4月1日時点で目標を達成しています。

(名)

2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
85 102 126 149 171 204 258
  • 各年4月1日時点の課長相当職以上。三菱重工業(株)および三菱日立パワーシステムズ(株)の数値

3. メガトレンド(グローバル市場)への適合

  • グローバルニーズに応えるイノベーションと品質管理
  • 安全と安心の高度化(情報の発信と透明性の確保含む)

【目標】

・グローバルな社会ニーズに適合した戦略策定・事業運営を行っていること