知的財産戦略

基本方針

三菱重工グループは、社会・産業インフラや陸・海・空で国の安全保障を支える革新的な製品・技術開発と世界への提供を通じて、さまざまな社会的課題の解決に取り組んでいます。その一つとして、「MISSION NET ZERO」を掲げ、2040年のカーボンニュートラルを推進しています。
知的財産の取り組みとして、「脱炭素社会に向けたエネルギー課題の解決」や「安全・安心な社会の構築」などの三菱重工グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を念頭に、“社会価値の創出(社会的課題の解決)に資する知的財産の創出と活用”を基本方針とした、「社会価値起点」の知的財産活動を推進しています。 具体的には、さまざまな社会的課題に対峙する各事業部門の事業戦略や研究開発戦略と整合した「知的財産戦略」を策定し計画的に実行することによって、当社グループのサステナビリティ経営を支えるとともに、全ての事業部門の知的財産戦略や活動状況を定期的に経営会議に報告することにより、持続的な成長と企業価値の更なる向上を図っています。
三菱重工グループは、「社会価値起点」の知的財産活動を通じて、カーボンニュートラル社会を実現する卓越した製品・技術の安定供給に寄与し、人と地球の確かな未来、「サステナブル(持続可能)な社会」の実現に貢献してまいります。

事業・知的財産・研究開発の一体活動

三菱重工グループは、事業戦略、知的財産戦略および研究開発戦略が一体となった経営戦略を展開しています。具体的には、事業部門ごとに経営戦略を軸とした事業戦略、知的財産戦略および研究開発戦略を策定し、事業部門、知的財産部門および研究開発部門が密接な連携を取りながら、それらの戦略を遂行しています。 また、全事業部門の知的財産戦略を知的財産部門が統括することで、三菱重工グループ全体としての知的財産戦略の実現、企業価値の更なる向上を図っています。

事業部門ごとに経営戦略を軸とした知的財産戦略、知的財産戦略および研究開発戦略を策定し、事業部門および知的財産部門と研究開発部門とが密接な連携を取りながら、それらの戦略を遂行することで、事業戦略、知財戦略および研究開発戦略が一体となった経営戦略を展開しています。

特許保有件数推移(注1)

特許保有件数推移
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
日本 14,174 件 14,665 件 15,081 件 14,368 件 14,432 件
米国 3,888 件 4,154 件 4,494 件 4,658 件 4,829 件
欧州(注2) 2,324 件 2,869 件 3,193 件 3,259 件 3,189 件
中国 2,815 件 2,995 件 3,200 件 3,369 件 3,321 件
  • 1数値は各年末時点での三菱重工+主要連結子会社の件数
  • 2権利継続中の欧州広域特許の件数

教育・人材育成

知的財産要員の育成と活用については、国内・海外における知的財産研修や、事業部門、研究開発部門との社内ローテーションなどを計画的に行い、個人及び知的財産部門全体の能力アップ、必要な専門能力の取得に繋がるよう努めています。

リスクマネジメント

三菱重工グループは、知的財産の適正な保護や積極的な活用に努めるとともに、他者の有効な知的財産を尊重することを基本的な姿勢としています。
三菱重工グループは、グローバル展開を加速させるために、海外でのM&A、アライアンス及び海外拠点の整備に積極的に取り組んでいますが、世界的にもM&Aが拡大しており、知的財産に関する外部環境やリスク要因は時々刻々変化しています。そのような状況下においても、事業を展開する上で他者の知的財産を侵害することがないように、製品の基本計画、設計、製造の各段階で他者が保有する知的財産を十分に調査することによって、知的財産にかかる国際間のトラブル発生の未然防止に努めています。

模倣品対策

三菱重工グループは、三菱重工グループ製品の模倣行為等、三菱重工グループの保有に係る知的財産権への侵害行為に対して、毅然とした対応を取ります。
三菱重工グループは、お客様に安心して三菱重工グループ製品をご購入して頂けるよう、三菱重工グループ製品の模倣品等の知的財産権の侵害品に対しては、侵害品の製造・販売の取締まり、税関における輸出入の差止め、啓発活動など、各国捜査機関及びその他の公的機関等の関係各所と連携の上、多様な対策・活動を実施しております。