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国内最大級のリチウムイオン二次電池蓄電システムをマイクログリッドに導入
最先端の実証試験を推進する清水建設が採用

発行 第 5151号
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 三菱重工業は、マイクログリッド(地域電力制御システム)やスマートBEMS※などの先進的な実証試験を進めている清水建設株式会社の技術研究所(東京都江東区)にリチウムイオン二次電池蓄電システムを納入した。出力100kW、容量60 kWhと、建物内に設置するリチウムイオン電池としては国内最大級。両社は今後共同で、この蓄電システムを用いた試験を実施し、昨今高まりつつある定置用蓄電システムの社会的ニーズに応えるための実証を重ねていく。

【清水建設に納入された三菱重工のリチウムイオン二次電池蓄電システム】
 同社技術研究所内に導入されている総出力600kW級のマイクログリッドは、太陽光発電を含む複数の発電・蓄電設備をネットワークでつなぎ、統合制御できるように構築されている。
 今回、マイクログリッドに設置されたリチウムイオン二次電池蓄電システムは、50Ah級の大型電池セル320個を使用したもの。鉛電池やニッケル水素電池に比べ2~3倍のエネルギー密度を持つなど、コンパクトで高出力であるのが特徴。電池ラック、双方向コンバーター、システム制御装置で構成される。

 当社は現在、定置用のリチウムイオン二次電池蓄電システムについて、集合住宅など向けに拡販中。また、リチウムイオン二次電池を2,000個以上収めた、国内初となるメガワット級コンテナ型蓄電システムについても開発を完了、実証機を長崎造船所(長崎市)内に設置して電力安定化実証試験を続ける一方、電力のピークカット、電力系統の不安定な地域での安定化補助電源や、風力発電・太陽光発電などの再生可能エネルギー導入促進のための系統安定化装置として販売を開始している。

 当社は、清水建設が進める実証試験において、同社と共同で、環境的・経済的なメリットが出る蓄電システムの運用データを蓄積していく方針。また、これらを通して獲得した知見を、システム開発力を活かした同電池の市場創造に活用するだけでなく、将来の省エネ・低炭素型のスマートコミュニティ(環境配慮型都市)市場参入に向けた先進技術の確立に繋げていく。

 エネルギー機械総合メーカーである当社は、蓄電分野の技術・製品開発に一層注力し、更なる省エネ・環境負荷低減社会の構築に貢献していく。

※ ビル・エネルギー管理システム(Building and Energy Management System)

担当窓口:リチウム二次電池事業化推進室

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三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
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