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小型CO2回収装置「CO2MPACT™」を日本ガイシへ納入完了
世界初となるセラミック製造分野への適用で、より幅広い脱炭素ニーズに貢献

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◆ セラミック焼成用トンネル窯排ガスからのCO2回収実証を目的に、このほど本格稼働を開始
◆ 回収したCO2は、日本ガイシが推進する「CO2排出ネット・ゼロプロジェクト」の一環として利活用実証に使用

セラミック焼成用トンネル窯のイメージ(日本ガイシ株式会社提供)

セラミック焼成用トンネル窯のイメージ(日本ガイシ株式会社提供)

三菱重工業は、日本ガイシ株式会社(本社:名古屋市瑞穂区、以下、日本ガイシ)から昨年受注した小型CO2回収装置「CO2MPACT™(コンパクト)」を9月に納入完了しました。本装置は、同区にあるセラミック焼成用トンネル窯に併設され、このほど本格的に稼働を開始したものです。

今回納入したCO2MPACT™は回収能力0.3トン/日のモデルで、多様な産業分野への適用拡大を目的に汎用性の高い標準設計をモジュール化したことで、輸送・設置の容易性と短納期を実現しています。日本ガイシが手掛けるCO2利活用に関する実証試験を目的として受注したもので、セラミック製造分野へのCO2回収技術の適用は世界初の試みとなります。

CO2MPACT™は、1月に「2022年日経優秀製品・サービス賞」最優秀賞(注1)、7月に「第53回 機械工業デザイン賞 IDEA」日本電機工業会賞(注2)を受賞しており、そのコンセプトは国内外の顧客や団体から高い評価を受けています。今後も国内外でのプレゼンスを高め、多様な産業分野でのカーボンニュートラルを進めるステークホルダーに対するCO2MPACT™の普及を目指し、事業機会の拡大を図ります。

日本ガイシは、生産設備から排出されるグループ全体のCO2削減に向けた取り組みを推進しており、2050年のCO2排出量ネットゼロを目標とした「NGKグループ環境ビジョン」を掲げ、「CO2排出ネット・ゼロプロジェクト」などによりネットゼロ達成の前倒しを目指しています。今回のCO2MPACT™導入は、日本ガイシにとっては同プロジェクトの一環であるカーボンニュートラル化へ向けたアクションの加速、当社にとっては新しい産業分野における脱炭素ニーズへの貢献という点で、非常に有意義かつ画期的な取り組みです。

三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、エネルギー需要側・供給側の脱炭素化に戦略的に取り組んでいます。このうちエネルギー供給側の脱炭素戦略である「エナジートランジション」における柱の1つが、多種多様なCO2排出源と貯留・利活用をつなげるCO2エコシステムの構築です。引き続き、独自のCO2回収技術を活用したCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)事業を強力に推進するとともに、ソリューションプロバイダーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていきます。

小型CO2回収装置「CO2MPACTTM」

小型CO2回収装置「CO2MPACT™」

三菱重工グループのCO2回収技術について
三菱重工グループは、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術KM CDR Process™やAdvanced KM CDR Process™の開発に取り組んでいます。2023年11月現在、KM CDR Process™を用いたプラントを16基納入しており、さらに2基を現在建設中です。またAdvanced KM CDR Process™には、これまで納入した商用のCO2回収プラント16基全てで採用されているアミン吸収液KS-1™に技術改良を加えたKS-21™が採用されています。KS-21™は、KS-1™と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されています。

【三菱重工グループ「CO2回収技術」製品情報はこちら】

CCUS VALUE CHAIN

Tags: カーボンニュートラル,エナジートランジション,CCUS
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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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