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「ダイレクトチップ液体冷却技術」を提供するZutaCore社に出資
効率的な冷却技術を当社製品・技術と掛け合わせ、データセンターの課題を解決

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◆ 絶縁性冷媒を二相式で循環させるコールドプレートでプロセッサーを冷却する、水を使用しない革新的技術
◆ ZutaCore社への出資ならびにダイレクトチップ液体冷却技術のホワイトラベル販売に関する契約を締結

三菱重工業は、「ダイレクトチップ液体冷却技術」の開発・提供を手掛けるスタートアップ企業、ZutaCore社に出資し、同社技術のホワイトラベル販売を行う契約を締結しました。今回の出資ならびにホワイトラベル販売契約により、同社が提供するダイレクトチップ液体冷却技術と当社の製品・技術を掛け合わせ、データセンターの課題解決に向けたワンストップソリューションの提供を目指します。

2016年設立のZutaCore社が提供するダイレクトチップ液体冷却技術は、サーバー内部の半導体チップ(プロセッサー)上のコールドプレートに絶縁性冷媒を二相式で循環させ、水を使用しないで冷却するという革新的な技術です。この技術を、当社グループが有する統合マネジメントシステムや脱炭素発電設備、サーバー液浸冷却装置と掛け合わせることで、データセンターが抱える喫緊の課題である排熱効率の向上や省エネ、脱炭素化に大きく貢献できます。

ZutaCore社が提供するダイレクトチップ液体冷却技術

ZutaCore社が提供するダイレクトチップ液体冷却技術

世界的なDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴う情報量の飛躍的な増加により、データセンターの果たす役割とその需要が急速に拡大しています。また、近年注目されている生成AI(注1)には高い計算能力を有するGPU(Graphics Processing Unit)(注2)が不可欠であることなどから、高性能サーバーを活用するデータセンターの電力消費量がさらに増大することが見込まれています。それに伴い、サーバーの排熱効率向上に寄与する液冷却をはじめとする多様な冷却技術に対する需要も拡大する見込みです。

三菱重工は、さまざまな熱分野で経験を積んだ当社グループの技術をベースに、将来的な市場の伸長が予想される高性能サーバーを活用するデータセンターに対し、高信頼性かつ高効率の脱炭素発電設備や統合マネジメントシステム、高効率冷却システムのワンストップソリューションを提供し、データセンターの省エネ、脱炭素化に貢献するとともにIT分野のGX(グリーントランスフォーメーション)を推進していきます。

  • 1大量のデータを学習することで、画像や文章など新しいコンテンツを独自に生み出すことができるAI(人工知能)のことです。
  • 2画像描写に関する計算処理を行う半導体チップ(プロセッサー)のことです。GPUはこれまでグラフィックに特化したモデルが一般的でしたが、AI分野における活躍が進んだことで、最新モデルの場合はAI向けの機能が実装されているものも増えています。

■ZutaCore(ズータコア)社について
2016年に設立し、イスラエルに本社と研究開発センターを置くZutaCore社は、二相冷媒冷却を用いたダイレクトチップ冷却ソリューションである「HyperCool®」の開発・提供を行っています。チップからの効率的な排熱を可能とするHyperCool®の提供を通じて、ゼロエミッションのデータセンターへの転換をリードしています。ZutaCore社はイスラエル本社のほか、米国カルフォルニア州にオペレーションセンター、ヨーロッパと台湾に事業所をそれぞれ有しています。


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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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