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ベトナムに民間航空機生産会社を設立
国内は高付加価値事業へシフト

発行 第 4651号
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 三菱重工業は、ベトナムの首都ハノイに当社100%出資の民間航空機生産会社を設立、航空機のメタル構造体の組立を開始する。既存のメタル部位組立を豊富な人材を有する海外へシフトし、国内は高付加価値事業に注力していくのが狙いで、航空機メーカーがベトナムに進出するのは今回が初めて。米国ボーイング社の支援のもと、当面、比較的作業が容易なボーイング737フラップの組立から手掛け、徐々に生産機種を拡大していく。新会社は2008年1月を目処に発足、2009年春から生産を始める計画。

 新会社は「MHI Aerospace Vietnam Co., Ltd.:MHIVA」。ハノイ中心部から北西16kmに位置する日系のタンロン工業団地に1万9,000m2の土地を確保、建屋面積4,000 m2の生産工場を新設して、2009~10年月産2~8機分、2011年以降同約10機分を生産する。部品は当面、日本または中国、マレーシアなどの周辺国から調達し、同国の産業基盤の成熟度を睨みつつ順次、現地調達の幅を広げていく。

 MHIVAの資本金は700万ドル(約7億7,000万円)。従業員は当面50人体制(2008年)でスタートし、生産が軌道に乗った段階で200人規模に増員する方針。

 民間航空機の価格競争が激化する中、生産拠点を中国や東欧、メキシコなどにシフトする機体メーカーの動きが続いている。今回の当社の決断も、これらと軌を一にするもの。当社がボーイング社と共に、世界市場において競争力強化のための効率的なサプライチェーン構築を目指す取り組みの一つで、ベトナム・ハノイへの進出を選んだのは、同国の勤勉な人材、好調な経済、安定した治安、海外輸送ルートの存在、さらには産業インフラが良好な日系工業団地を確保できたことなどによる。

 当社はボーイングの次期主力旅客機787向け複合材主翼の本格量産や、来春のプログラムローンチを目指す次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の事業化など、航空機関係の新規大型プロジェクトを複数抱えているが、メタル構造など既存部位組立を主業務とする海外拠点と、複合材など高度な技術が必要な高付加価値事業を推進する国内拠点を機動的に連携させながら、今後も、民間航空機事業の拡大に取り組んでいく。

 


Tags: 民間機,アジア,民間機セグメント
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