Press Information

環境に優しい低GWP冷媒採用の高効率次世代ターボ冷凍機「ETI-Zシリーズ」
平成30年度省エネ大賞で「経済産業大臣賞」を受賞

Print

◆ 最高レベルの省エネ・高効率性能ならびにコンパクト性を実現
◆ 温室効果がCO2並みに小さく、オゾン層破壊係数ゼロのHFO-1233zd(E)を小容量クラス機として世界で初採用

三菱重工グループである三菱重工サーマルシステムズ株式会社(社長:楠本 馨、本社:東京都港区)の次世代型ターボ冷凍機「ETI-Zシリーズ」が、一般財団法人省エネルギーセンターが主催、経済産業省が後援する平成30年度省エネ大賞の製品・ビジネスモデル部門において、最高位の「経済産業大臣賞(節電分野)」を受賞しました。環境負荷が極めて低い低GWP(注1)冷媒を採用した世界初の小容量クラス機として最高レベルの省エネ・高効率性能ならびにコンパクト性を実現していることなどが高く評価されたものです。1月30日に表彰式が開かれました。

省エネ大賞は、事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネの取り組みや、省エネルギー性に優れた製品ならびにビジネスモデルを表彰するものです。日本全体の省エネ意識の拡大、省エネ製品の普及などによる省エネ型社会の構築に寄与することを目的としています。

ETI-Zシリーズは2015年に発売。これまでに100台以上の受注を達成し、好評を博しています。冷凍機本体にインバータを搭載したモデルで、冷凍能力は150~700冷凍トンです。圧縮機構と高速モーターを直結する構造を採用、増速機構を廃止するとともに軸受の数を削減したことにより駆動に伴うエネルギー損失を減らして高性能と信頼性向上を実現。それにより、定格COP(注2)は6.3とクラス最高レベルの省エネ性を発揮し、構造の簡素化により信頼性も向上しています。

採用冷媒のHFO-1233zd(E)は、GWPがCO2と同じ1と小さくオゾン層破壊係数がゼロで、オゾン層破壊につながらず温室効果も小さいことから、フロン排出抑制法(注3)の適用対象外で、排出・漏洩の抑制や廃棄後の回収・破壊などの面で規制を受けません。半面、在来型の冷媒 HFC-134aに比べると冷媒ガスの体積が約5倍となり、同じ能力を発揮させるには圧縮機や熱交換器のサイズが一般的に大きくなる傾向にあります。このためETI-Zシリーズでは、CFD解析を用いた空力流路全体の最適化による圧縮機の小型化、モーターの高速回転化、高性能伝熱管の採用とその配置最適化などによりコンパクト化を実現しています。

三菱重工サーマルシステムズは今回の受賞を励みとして、さらなる省エネに役立つ技術・製品開発に取り組み、各種プラントのエネルギー効率の向上をはかるサーマルエンジニアリング事業、大空間空調の大型冷凍機事業、多様な快適空間を創り出す空調事業、コールドチェーンに欠かせない輸送冷凍機事業、カーエアコン事業など事業領域の広さを生かしたシナジーによる統合技術力で、お客様の多種多様なニーズに応じた最適なサーマルソリューションの実現に力を注いでいきます。

  • 1GWPはGlobal Warming Potentialの略。CO2を1とした地球温暖化係数で、値が小さいほど温室効果が低く環境性に優れます。
  • 2COPはCoefficient of Performanceの略。成績係数のことで、値が大きいほど省エネ性に優れます。
    JIS規格に基づき算出。COP=定格冷凍能力(kW)÷消費電力(kW)。補機動力を含みます。
  • 3フロン回収・破壊法の改正により、フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)が、2015年4月1日に施行されました。
ターボ冷凍機「ETI-Zシリーズ」
ターボ冷凍機「ETI-Zシリーズ」
表彰式
表彰式

Tags: 生活,I&Iドメイン,省エネ大賞,ターボ冷凍機
mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: