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MBE、東京スカイツリー®に制振装置TMDを2基納入

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 三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社(MBE、社長:東 完夫、本社:広島市中区、三菱重工業が100%出資)は、自立式電波塔では世界一となる高さを目指して建設が進む「東京スカイツリー®」(事業主体:東武鉄道(株)・東武タワースカイツリー(株)、設計・監理:(株)日建設計、施工:(株)大林組)に、制振装置のTMD(Tuned Mass Damper)※1を2基納入した。デジタル放送用アンテナ等を支える塔(ゲイン塔)を、600mを超す高層部で、風から生じる共振現象である渦励振(うずれいしん)から守ることになる。これまで数多くのTMDを手掛けてきたMBEの技術と経験への信頼が、評価されたことによる。

 この頂部TMD2基は倒立振り子型で、ウェイト※2とウェイトフレーム※3から成る振動体の基部をユニバーサルジョイント※4が支える構造。ほかに押し引きバネ、オイルダンパーなどで構成する。40トンの振動体を持つ装置は620m、同25トンは625mの高さに設置される。いずれも、外形寸法は縦6×横6×高さ4.2mで、制御振幅は縦横±70cm(最大振幅±125cm)。
 25トン1基で十分な渦励振の減衰性能を持つが、途絶することが許されない放送事業を担う点を考慮。万一のバックアップを考え、2基を設置した。

 MBEでは、東京スカイツリーの施工を担当している大林組から受注した後、約1年半をかけて設計・製作および工場での性能試験を実施し、このほど現地に搬入。ゲイン塔頂部となる制振機械室への据え付けを完了した。制振機械室は今後所定の高さまでリフトアップ工法によってジャッキアップされる。

 東京スカイツリーは、東武鉄道ならびに東武タワースカイツリー(本社:東京都墨田区)が、墨田区の業平橋・押上地区とその周辺を対象にした都市開発の中核施設として建設を進めているもの。高さは634mと、自立式電波塔としては世界一となる予定。2011年12月竣工、2012年春開業の予定で、建設は順調に進んでおり、首都圏における放送・通信インフラ、東京の新しい観光名所、地域防災拠点などとして期待されている。

 MBEは、三菱重工が長年にわたり培ってきた免震・制振装置に関わる技術を受け継いでおり、TMDでは超高層ビルや長大橋梁など多様な納入実績を持つ。今回の東京スカイツリーへの納入を弾みに、国内外に対する積極的な営業活動に一層力を注いでいく。

※1 TMDは、振動を制御したい建物や機械などに対して、錘(Mass)を減衰器(Damper)とバネを介して
   取り付け、固有振動数を最適に調整(Tuned)することで、振動を吸収する装置。
※2 装置上部の鋼製のプレート部に設置されている錘。
※3 ウェイトを支持するフレーム。
※4 自在継手(じざいつぎて)。本来は軸の回転を角度を付けて伝えるためのジョイント。
   TMDでは、錘の荷重を負担し、水平360°どのような動きにも方向にも錘を稼働させるために使用する。

東京スカイツリー向けTMD 

東京スカイツリー

 

担当窓口:三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社


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