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大型排煙脱硫装置、2件受注中国向け10件達成
日本メーカーとして件数トップの10件目。今年に入って4件目

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 三菱重工業は、中国の中電投重慶遠達環保集団有限公司から河南省新郷発電所向けの、また、上海中芬電気工程有限公司から山東省蓬莱発電所向けの大型排煙脱硫装置を受注した。この2件の受注により当社の中国向け排煙脱硫装置の受注は、日本メーカーとして件数トップの10件目、今年に入ってから4件目となる。

中国で初めて設置された当社製 排煙脱硫装置<br />珞璜発電所(重慶市)
 受注した排煙脱硫装置のうち、河南省新郷発電所向けは、増設される5号、6号機石炭焚きボイラー(300MW×2基)から排出されるガス全量(1,125,000Nm3×2基)の脱硫処理を、また、山東省蓬莱発電所向けは、新設される1号、2号機石炭焚きボイラー(300MW×2基)から排出されるガス全量(1,160,000Nm3×2基)の脱硫処理を行う。ともに装置のコア部分を構成する吸収塔には、当社独自の“液柱塔※1”方式を採用、排ガスに含まれる硫黄分の主たる成分である二酸化硫黄(SO2)を95%除去する。

 新郷発電所向けは、2000年12月に当社が中電投重慶遠達環保集団有限公司と排煙脱硫装置のライセンス契約を結んで以来、同社と合作した3件目の受注。蓬莱発電所向けは、2004年2月に上海中芬電気工程有限公司とライセンス契約を結んで以来、同社との初めての合作案件となる。

 当社はいずれも、排煙脱硫装置の基本設計、キーとなる吸収塔の主要機器の供給を担当。加えて、指導員を派遣し、現地での技術指導に当たり、客先から直接発注を受けるライセンシーと密接に工事を遂行していく。

 当社の独自技術である液柱塔は、高い脱硫性能を達成するだけでなく、内部の構造をシンプルにしてメンテナンスを容易にするなど、顧客の利便性に配慮したシステムとなっている。当社は、他社に先駆け中国市場へ参入、1991年に華能珞璜発電所へ同国向け初の排煙脱硫装置を納入して以降、多くの実績を重ねてきている。今回の商談では、液柱塔に象徴される当社の技術力と、中国をはじめ世界各国での受注・運転実績が高く評価され成約に至った。

 経済成長が著しい中国では、発電設備の新設・増設が急ピッチで進められているが、依然として、石炭焚き火力発電所の比率が高く、総発電量の約7割を占める。この石炭焚き火力に対しては、これまで規制の対象外となっていた同国内陸部も含め新設プラントすべてに脱硫装置の設置を義務づけるなど、環境規制強化が図られつつある。これに伴い、排煙脱硫装置のニーズが高まっており、当社の積極的な営業も奏効して、昨2003年には2件、2004年には早くも4件目を受注している。今後も当社は、現地企業と協調しながら、同国市場へ一層積極的にアプローチしていく。

※1 液柱塔= 吸収塔内部で排ガスに石灰水を噴射して反応させるが、上から下に噴射するのではなく、ノズルから噴水のように吹き上げ、上昇中と下降中の2回(排ガスと石灰水)接触させる点が特徴。

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