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日立と三菱重工がX線治療装置事業の譲渡で合意

株式会社日立製作所
三菱重工業株式会社
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 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と三菱重工業株式会社(取締役社長:宮永 俊一/以下、三菱重工)は、X線治療装置事業について、事業譲渡契約を締結し、三菱重工のX線治療装置事業を日立に譲渡することで合意しました。今回の合意により、日立はX線治療システムの顧客基盤を拡大し、技術を取得することで、従来から展開している粒子線治療システム事業とあわせ、放射線治療システム事業を強化・拡大していきます。

 日立はヘルスケア分野を社会イノベーション事業における注力4事業分野の一つと位置づけ、超音波診断装置やMRIシステム、粒子線がん治療システムなどの診断・臨床分野からITを活用したサービス、地域包括ケアなどのインフォマティクス分野まで、医療の質向上と効率化を実現するソリューションを提供しています。一方、三菱重工は事業の選択と集中を進めており、事業の統合・再編や譲渡によるリソース面での余力をほかの伸長分野に投入することで、さらなるグローバル展開に取り組んでいます。三菱重工では、医療機器を手掛けている機械・設備システムドメインで、中小規模の再編による収益力強化とリソース投入分野の絞り込みに注力しています。
 今回、ヘルスケア事業に注力し、開発からサポートまで一貫した体制が充実している日立が事業譲渡先として最適であると、両社の認識が一致し、合意に至りました。

 放射線治療は患部を切除することなく治療を行えるため、身体への負担が比較的少ないがん治療法として、近年、急速に進展しています。日立は、放射線治療の一つである粒子線治療システムで、すでに日本や北米の著名病院に多数の納入実績があり、その技術とサポート体制は高く評価されています。また、今後、日本やアジアでの市場拡大が見込まれているX線治療システム分野では、高精度放射線治療で世界トップクラスの米国Accuray Incorporated (米国カリフォルニア州、President and CEO: Joshua H. Levine)のトモセラピーシステムを2012年7月から日本国内で独占販売するなど、幅広く放射線治療ソリューションを提供しています。

 三菱重工が開発した放射線治療装置「Vero4DRT」は、唯一の国産X線治療装置として2008年に市場投入された高精度治療装置です。日立は関連薬事承継手続きを経て、既に稼働している「Vero4DRT」の保守サービスサポートを2017年4月以降に開始する予定です。

 今回の合意に基づき、日立は、三菱重工が持つX線治療装置の技術を活用することで、X線治療システム事業を強化していきます。また、治療計画も含め、トータルで放射線治療システムを提供することで、今後も、Quality of Lifeを向上する最先端の放射線医療・がん治療に貢献していくとともに、ヘルスケア事業のさらなる強化・拡大を図っていきます。

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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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