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稼働中データセンターの“無駄”を削減
運用最適化による冷却エネルギー削減とPUE改善を実証

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◆ 富士通 明石データセンターで運用最適化によるエネルギー効率向上を実証
◆ マルチベンダー構成の設備をまとめて最適に制御、稼働中のデータセンターの冷却エネルギー2.3%削減を達成
◆ データセンター全体への適用により電力使用量を最大7.6%削減見込み、PUE改善に貢献

三菱重工業は、データセンターの安定稼働を維持しながら、冷却に使うエネルギーの削減を達成し、電力の使用効率を示すPUE(注1)の改善を実証しました。本実証は富士通株式会社が運営する「富士通 明石データセンター」において、マルチベンダー構成(複数のメーカーや提供元の設備が混在する構成)の既存の設備を対象に実施しました。

冷却システムは、データセンター全体の冷却に関連する共通設備(注2)と、個別のサーバールームに設置される空調機(AHU)で構成されます。従来は、それぞれの設備ごとに最適化していましたが、本実証を通じて最適化の範囲を冷却システム全体に拡大することで、省エネを実現しました。この手法により、年々、普及拡大するデータセンターの運用コスト削減とPUE改善に貢献します。

データセンターの冷却システム(富士通 明石データセンター)

データセンターの冷却システム(富士通 明石データセンター)(注3)

データセンターの主な課題
データセンターの需要が世界的に急増する一方で、その電力消費の急拡大が大きな課題となっています。とりわけ冷却システムは、サーバーなどのIT機器を除く電力使用量の60%以上(注4)を占める最大の電力消費源です。また、既存のデータセンターでは、サーバーの安定稼働を最優先に冷却システムを運用してきたため、冷却システム全体のエネルギー最適化との両立を困難にしています。さらに、マルチベンダー構成の既存のデータセンターでは、AIワークロード(AIを動かすための負荷の高い計算処理)の増加などから、運用に求められる条件が高度化しているため、既存の省エネ手法の効果が限られています。

実証の特徴と成果
今回の実証の大きな特徴は、データセンターの運用を止めずに実施したことです。当社の総合研究所が開発した、マルチベンダーの設備に対応する仕組みを用いて、シミュレーションと最適な制御を行いました。

具体的には、サーバールーム内で温度のばらつきがある場所を特定して、空調機で風量を制御し、最適な気流に変更することで温度のばらつきを2℃縮小でき、冷却システム全体での最適な運転範囲が拡大しました。その結果、冷却システムをまとめて制御することが可能となったため、冷却水を適切な温度に保ち、冷却システム全体で2.3%のエネルギー削減を達成。加えて、ターボ冷凍機のエネルギー効率(COP)(注5)は1.2ポイント以上、上昇しました。

今回の実証では、データセンターに複数あるサーバールームのうちの1室に適用しましたが、データセンター全体に適用した場合は、最適に運用できる範囲が拡大するため、冷却システム全体で7.6%のエネルギー削減効果が見込まれます。

実証結果と将来ポテンシャル

実証結果と将来ポテンシャル

当社データセンター&エネルギーマネジメント部 次長の山﨑 祥嗣は、次のように述べています。「稼働中のデータセンターでは、既存の設備を活用しながらエネルギー効率を高めることが求められています。本実証は、マルチベンダーの環境でも適用可能な運用最適化により、実運用下で、その有効性を示したものです。今後は本手法を展開し、持続可能なデータセンターの運用に貢献していきます」。

三菱重工グループは、脱炭素電源、信頼性の高い電力供給、高効率な冷却システム、そして統合デジタルソリューションを組み合わせることで、より持続可能で信頼性の高いデータセンター向けソリューションを提供していきます。

  • 1Power Usage Effectivenessの略。データセンター全体の電力をIT機器の電力で割った値。数値が1に近いほど効率が良く、無駄な電気を使っていないことを示します。
  • 2共通設備は、データセンター全体の冷却に関連する、冷却塔、冷却水ポンプ、冷水ポンプ、ターボ冷凍機で構成されます。
  • 3図の「ヘッダー」は、複数系統の冷水や冷却水を集約・分配し、安定供給と制御性を高める主要な配管。「バッファータンク」は、冷水や冷却水を一時的にため、流量や圧力の変動を吸収して設備の安定運転を支えるタンク。「UPS」(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)は、停電や電力異常の際に電力を供給し続ける装置です。
  • 4IEA(国際エネルギー機関)の数値。詳しくは、以下のIEAのウェブサイトをご覧ください。
    https://www.iea.org/data-and-statistics/charts/share-of-electricity-consumption-by-data-centre-and-equipment-type-2024
  • 5Coefficient of Performanceの略。エネルギー効率(投入した電力に対し、どれだけ冷却または加熱する効果があるか)の指標。数値が大きいほど、エネルギー効率が良いことを示します。

Tags: 産業機械・設備

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