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三菱重工サーマルシステムズ、空冷ヒートポンプチラー「Hydrolution PRO」シリーズを欧州市場向けの製品ラインアップに追加

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◆ GWPが低いR32冷媒の採用と冷媒封入量の削減により、欧州における昨今の環境意識の高まりに対応
◆ 「e-3Dスクロール」圧縮機などの独自技術で、50kWクラスで業界トップクラスのSCOP4.59を達成

Hydrolution PRO

Hydrolution PRO

三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ株式会社(社長:佐々倉 正彦、本社:東京都千代田区、以下、三菱重工サーマルシステムズ)は、空冷ヒートポンプチラー(注1)「Hydrolution PRO(ハイドロリューション プロ:商標登録出願中)」シリーズを欧州市場向けの製品ラインアップに追加します。集合住宅からオフィスビルの冷暖房、産業用、ITの冷却加熱まで幅広い用途に対応できる50kW・75kW・100kWクラスの3モデル展開で、50kWクラスを2024年春から市場投入し、他クラスについても順次販売を開始する予定です。

欧州における昨今の環境意識の高まりにより、冷媒を使用する機器は地球温暖化係数(GWP(注2))の低減と冷媒使用量削減が求められていることから、その対応の1つとして、水循環システムである空冷ヒートポンプチラーを製品ラインアップに追加したものです。「Hydrolution PRO」シリーズでは、GWPが低くルームエアコンなどで先行普及しているR32冷媒(GWP 675)を採用しています。これにより、空冷ヒートポンプチラーで一般的なR410A冷媒(GWP 2,090)と比べてGWPを約3分の1にしています。また、高性能の「e-3Dスクロール」圧縮機などの独自技術により、50kWクラスで業界トップクラス(注3)のSCOP(注4)4.59を達成するとともに冷媒封入量を約43%(注5)削減し、省エネ性能と環境保護に貢献します。

「Hydrolution PRO」シリーズに搭載する「e-3Dスクロール」圧縮機は、縦横両方から三次元に圧縮することで一般的なスクロール圧縮機に比べコンパクトな圧縮構造を取ることが可能で、機械損失の低減に繋がり、低負荷時の効率を飛躍的に高めています。また、圧縮機と水ポンプをインバータ制御することにより、負荷に応じて最適な運転制御を実現します。リモコンは、直感的なタッチ操作により、1台で最大20台までの空冷ヒートポンプチラーの設定・調整が可能です。内蔵されたカレンダー機能で冷暖の台数振り分けを変更できる冷暖混在制御により、運用時期や負荷に応じた最適な運転スケジュールを作成できます。さらに、新開発の群統括コントローラを使用することで、機器負荷に応じた台数制御や最適な運転制御を行うことが可能です。また、本機はModbus®通信を標準搭載しており、上位監視制御装置と簡単接続しエネルギーの見える化が可能です。

三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、生産活動に伴う自社工場などからのCO2排出量削減や、グループ製品の使用に伴う顧客側のCO2排出量削減などに取り組んでいます。三菱重工グループの一翼を担う三菱重工サーマルシステムズでは、さらなる省エネと環境性能の向上に貢献する技術と製品の開発に注力し、三菱重工グループの幅広い事業活動によるシナジー効果を生かした総合的な技術力で、カーボンニュートラルの実現に貢献する最適な熱ソリューションを追求していきます。

  • 1ヒートポンプチラーとは、ビルの空調や工場内の各種産業設備などへ冷水や温水をつくり出し供給する装置の総称です。主に冷却に使うことから「chiller(chill=冷やす)」と呼ばれていますが、温めることもできるため、「Heat pump(熱を低温からくみ上げて高温で加熱するもの)」という言葉を加えています。装置内部は冷媒を使った回路と水を循環させる水回路からなり、水熱交換器を通して冷媒と水が熱交換を行います。
  • 2Global Warming Potentialの略。CO2を1とした地球温暖化係数で、値が小さいほど温室効果が低く環境性に優れます。
  • 32024年3月三菱重工サーマルシステムズ調べ。
  • 4Seasonal Coefficient of Performanceの略。暖房シーズンの成績係数のことで、値が大きいほど省エネ性に優れます。
  • 5R410A冷媒を採用した三菱重工サーマルシステムズ製空冷ヒートポンプチラー「MSV」との比較。

■「e-3Dスクロール」圧縮機

「e-3Dスクロール」圧縮機

■タッチ操作が可能なリモコンで簡単に冷暖混在設定が可能

タッチ操作が可能なリモコンで簡単に冷暖混在設定が可能

Tags: 空冷ヒートポンプチラー
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長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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