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タイの超大型複合火力発電所プロジェクトでM701JAC形GTCCの5号機が運転を開始
現地IPPガルフ・グループと三井物産の合弁事業向け、2ヵ所の総出力530万kW規模

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◆ ラヨーン県で合弁会社ガルフPD社が運営、4系列のうちの初号機が完工
◆ 新型コロナウイルスによる感染症などの影響が広まる中、関係者の連携で納期を厳守

ラヨーン県 ガス複合火力発電所

ラヨーン県 ガス複合火力発電所

三菱重工業は、タイ最大の独立系発電業者(IPP)であるガルフ・エナジー・デベロップメント社(Gulf Energy Development PCL)と三井物産株式会社の合弁事業会社がラヨーン(Rayong)県で進める天然ガス火力発電所の建設プロジェクトで初号機を完工し、このほど3月31日に運転開始を迎えました。チョンブリー(Chonburi)県とラヨーン県において、それぞれM701JAC形ガスタービン4台で構成される出力265万kWのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)火力発電設備の建設プロジェクトを2018年にフルターンキー契約で受注したもので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が懸念される中、両発電所を通じ5台連続して契約納期どおりの完工を達成しました。今後、2024年秋に予定される全8系列での運転に向けて工事を進めていきます。

ラヨーン県の発電所は、首都バンコクの南東約130kmに位置しており、合弁事業会社のガルフPD社(Gulf PD Company Limited)(注)が運営しています。2022年10月に、チョンブリー県の発電所では全4系列が運転を開始。4号機までの全系列における実稼働時間(Actual Operating Hours:AOH)はこれまでに2万5,000時間を超えており、高い稼働率を誇っています。天然ガスを主燃料とし、電力はタイ電力公社(EGAT)に販売され、高効率の電源として同国における電力の安定供給に貢献していくことが期待されます。

本プロジェクトにおいて、発電所当たり4系列から成るGTCC発電設備は、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機それぞれ4台で構成されます。コロナ禍の逆風下で現地工事が最盛期を迎えたものの、お客様・建設工事業者との緊密な連携、関係者の工夫と努力により工程管理に努め、当初の計画通りに工事を進めて納期確保しました。

初号機の運転開始を記念した式典には、ガルフ・エナジー・デベロップメント社からDeputy CEOのBoonchai Thirati氏、三井物産の子会社Mit-Power Capitals (Thailand) Limitedからは社長の笹治 純太氏が出席。ガルフ・エナジー・デベロップメント社からは、「チョンブリー県の発電所に続き、ラヨーン県の発電所も、COVID-19という困難な状況の中、当初のスケジュール通りに初号機の運転開始を迎えられたことを評価します。今後もプロジェクト遂行の中で数多くの困難に直面すると思いますが、このチームであれば、それらを乗り越え、全号機予定通りに完工できることを確信しております」と、当社の建設・エンジニアリング能力に対する期待の言葉がおくられました。

また、三菱重工のタイ現地法人Mitsubishi Power(Thailand)Ltd.の社長である田久保 亮は次のように述べています。「チョンブリー県の発電所建設を通じて得られたノウハウを生かし、コロナ流行の中においても、ガルフ・エナジー・デベロップメント社のリーダーシップのもと、各社一丸となって対応できたことが初号機の納期を守ることにつながりました。2号機以降についても、引き渡し納期厳守を継続していきます」。

三菱重工は、引き続きラヨーン県の発電所完成に向け全力で取り組むとともに、最新鋭機であるJAC形ガスタービンの普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定確保と環境負荷の低減に貢献していきます。

  • チョンブリー県の発電所は、Gulf SRC Company Limitedが運営しています。
記念式典の様子

記念式典の様子


Tags: タイ,GTCC,三井物産,火力
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