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タイ・BLCPパワー社の石炭火力発電所に対するアンモニア混焼導入へ覚書に調印
20%混焼実現に向けた調査・検討へ、燃料の調達・活用までを視野に

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◆ 三菱重工はアンモニア混焼に向けたボイラーバーナーなど必要な装置・機器について調査
◆ タイのエネルギー計画を受けた国家間のエネルギー対話で、共同プロジェクトでのFSに合意

調印式の様子

調印式の様子

三菱重工業は、タイのIPP(独立発電事業者)であるBLCPパワー社(BLCP Power Limited)が運営するBLCP石炭火力発電所におけるアンモニア混焼の導入に向けた事業化調査(Feasibility Study:FS)を開始することで合意し、1月12日に関係者との間でMOU(覚書:Memorandum of Understanding)に調印しました。CO2排出量削減に向けた世界的潮流およびタイの国家エネルギー計画を受けたもので、同発電所の環境負荷低減につなげるのが狙いです。

このMOUは、1月12日にタイの首都バンコクで開催された「日本・タイエネルギー政策対話」(JTEPD:Japan–Thailand Energy Policy Dialogue)で調印されたものです。プロジェクトには、タイ側からはBLCPパワー社のほか、同社に折半出資する大手発電事業者のBanpu Power Public Company Limited(BPP)およびElectricity Generating Public Company Limited(EGCO Group)が参画。日本側からは当社のほか、株式会社JERAおよび三菱商事株式会社が参画します。

BLCP発電所は、タイ南東部のラヨーン(Rayong)県にあり、亜臨界圧石炭焚きボイラー設備2系列で構成。2006年と2007年に運転を開始しており、総出力143万4,000kWで、当社がボイラーや蒸気タービンほか主要設備を納入しました。

本MOUに基づくFS計画で、当社はアンモニア混焼に必要なアンモニアバーナーをはじめとするボイラーの装置・機器の検討、供給について調査を行います。燃料アンモニアの調達・輸送についてはJERAが、港湾設備・アンモニア受け入れ・貯蔵設備等についてはJERAおよび三菱商事が検討を行うことで、燃料の調達から活用までの一連のバリューチェーン構築を視野にFSを進めます。最大でアンモニア20%混焼の実現に向けての調査・検討をBLCPパワー社と日本側の3社が合同で実施し、CO2排出量削減・脱炭素化につなげていきます。

タイは、国家エネルギー計画で2050年までのカーボンニュートラルおよび2065年までのネットゼロ達成を宣言しています。日本との間では、水素や燃料アンモニアをはじめとする脱炭素技術に関する協力の強化が期待されています。当社は、タイが石炭から天然ガスへと燃料を転換するに当たり、CO2排出量削減に向けた段階的な移行を支援する重要な役割を果たしてきました。当社が提供した発電設備の合計容量は、建設中の発電所を含めると計25GWを超え、同国の発電容量の50%を大きく上回っています。

当社は、今回のMOU調印をはじめ、世界のIPPを含めた電力業界全体のニーズである低・脱炭素化および性能向上に向けた提案に努め、電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していきます。


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