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インドネシア国立バンドン工科大学(ITB)と共同R&Dを開始
ガスタービンによるアンモニア発電に関して

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◆ ITBが得意とする化学反応工学を用いた最適なアンモニア発電を検討
◆ H-25形ガスタービンでの実証を通じ、インドネシア発のクリーンエネルギー発電を目指す

調印式の様子

調印式の様子

三菱重工業は、インドネシアの国立バンドン工科大学(Bandung Institute of Technology:略称ITB)と、ガスタービンによるアンモニア発電について共同で研究開発(R&D)していくことで合意し、このほど両者で新たな共同研究契約書(Agreement)に調印しました。ITBとは同国の脱炭素化に向けたクリーンエネルギーソリューションに関して多様なテーマで産学共同に取り組んでおり、その一環として今回は、ITBが得意とする化学反応工学を用いたアンモニア発電の最適化を目指すものです。併せて、将来的には当社製品であるH-25形ガスタービンでの実証を通じ、インドネシアにおけるアンモニア発電の実現化につなげていきます。

ITBとは、2020年に次世代クリーンエネルギー技術および発電所のビッグデータ解析などをテーマとする産学共同MOU(覚書:Memorandum of Understanding)に調印。本年2月には、インドネシアの脱炭素化に向けたクリーンエネルギーソリューションに関する協業プラットフォームとして、MOUを5年間延長することに合意していたものです。さらに今回、同MOUのもと、ITBの設備を用いながらアンモニア発電の研究開発を共同で行うことを通じて、両国間の技術開発の促進、ITB教授・研究者陣との技術・人材交流、同国でのクリーンエネルギー普及促進に取り組んでいきます。

9月26日に、経済産業省が主催した第2回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(Asia Green Growth Partnership Ministerial Meeting:AGGPM)にて調印式が行われ、同会合に出席したITBのイ・ゲデ・ウェンテン(I Gede Wenten)副学長は、次のように述べています。「エナジートランジションは、温室効果ガス排出量を削減する上で重要な役割を果たし、地球温暖化や気候変動の緩和をもたらします。ITBと三菱重工の研究協力は、石炭の使用を削減する発電分野でのアンモニア利用に焦点を当てており、長期的には、再生可能エネルギーを利用したグリーンアンモニアの活用が期待されます。本研究が持続可能なエネルギー転換に向けた取り組みに良い影響を与えることを期待します」。

一方、当社シニアフェローでエナジートランジション総括部長を務める正田 淳一郎は次のように期待を表明しています。「三菱重工が発電分野で培ってきた技術と、ITBが有するインドネシアの状況にも精通した専門性が高く深い知見を掛け合わせることにより、クリーンエネルギー技術に関する革新的な研究を行えると確信しています。ITBとの連携を通じて新たなアイデアを創出し、インドネシアにおけるエナジートランジションを推進していきます」。

インドネシア政官財界に人材を多数輩出しているITBと三菱重工は、これまでもエネルギー脱炭素化に向けMOUを締結しており、水素やアンモニアなどの新たなエネルギー源のほか、排煙処理システム(Air Quality Control System:AQCS)やマイクログリッドソリューションの共同実現可能性を検討してきました。2020年のMOU締結以来、同国での将来に向けた技術者育成を目的として、両者はビッグデータ解析、バイオマス、石炭ガス化複合発電、水素、AQCS等をテーマとした共同講義も実施しています。

インドネシアでは、2030年までに温室効果ガス排出量を29%削減、2025年までに再生可能エネルギーの利用率23%達成という公約に見られるように、エネルギー部門の脱炭素化への取り組みを強化しており、こうした同国のエネルギー対策に対する取り組みの強化と時期を同じくして今回の新たな研究開発契約が締結されたものです。三菱重工は、今回の契約調印を弾みに、今後さらにインドネシアの科学技術の発展に貢献するとともに、同国の電力供給安定化ならびに環境保全に寄与していきます。


Tags: インドネシア,ガスタービン,アンモニア
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