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三菱造船、世界初となるCCUSを目的とした液化CO2船舶輸送の実証試験船の建造契約を締結
将来の長距離・大量輸送を見据え、液化ガスハンドリング技術を結集

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◆ NEDO(注)の「船舶によるCO2大量輸送技術確立のための技術開発および実証事業」に活用
(注)NEDO:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

液化CO2輸送の実証試験船のイメージ図

液化CO2輸送の実証試験船のイメージ図

本船概要

船籍 日本
船長 72.0 m
船幅 12.5 m
喫水 4.55 m
タンク容積 1,450 m³

三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は、NEDOの「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験」で活用する液化CO2(LCO2)輸送の実証試験船(以下、本船)の建造契約を、内・外航船の船舶管理などを手掛ける山友汽船株式会社(本社:神戸市中央区、以下、山友汽船)との間で締結しました。三菱重工下関造船所江浦工場における建造を開始し、完成および引渡しは2023年度後半の予定です。

上記NEDO事業の業務受託者の1者である一般財団法人エンジニアリング協会が、外注先である山友汽船から本船を傭船し、同事業で運用します。川崎汽船株式会社、日本ガスライン株式会社及び国立大学お茶の水女子大学は同事業における同協会の再委託先として、本船が輸送するLCO2の圧力制御・安定性の研究開発や実証試験方案の作成業務等を受託し、CO2を安全かつ低コストで輸送する技術の開発と実証等を行います。

食品用途で用いられるLCO2を輸送する船舶は、これまで欧州、日本で建造および運用されてきた実績がある一方、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)を目的としたLCO2輸送船の建造は世界初となる見込みです。三菱造船は、これまで液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)建造で培った知見や高度なガスハンドリング技術などを活用し、本船に搭載される舶用タンクシステムを含む本船の設計から建造までを一貫して担います。

CO2を回収して転換利用や貯留を行うCCUSは、カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として注目されています。CO2の排出地と貯留地・活用地が離れていることが多いことから、CO2を安全かつ低コストで輸送する手段としてLCO2船は将来的な需要の拡大が期待されています。世界初のCCUSを目的としたLCO2船の建造の経験を生かし、当社グループが戦略的に取り組むエナジートランジションの事業強化につなげるとともに、従来より取り組んできたCCUSバリューチェーン構築に必要なLCO2船に関する各種技術の開発および提供に引き続き尽力し、CO2エコシステムの構築に貢献します。

三菱造船は、目指す成長戦略「海洋Future Stream」において、再生可能エネルギーと炭素循環による「海の脱炭素社会」、自律化・電化による「海洋空間有効活用社会」を描き、海に関わるイノベーションの「知恵出し」とその「カタチ化」の実現を掲げています。その一環として従来よりLCO2船の開発とその事業化を積極的に推進しているところであり、海洋システムインテグレーターとして脱炭素化実現を目指しています。

CCUS VALUE CHAIN

LCO2船イメージ動画


Tags: カーボンニュートラル,エナジートランジション,LCO2船,船舶
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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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