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化石燃料などの脱炭素転換へ向け、既存船の改造に関する検討を開始

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◆ 既存船のカーボンニュートラルへの道程を明確化、課題を顕在化し船舶への投資リスクを軽減
◆ 船舶の脱炭素燃料化への改造に伴う技術的・財務的・環境的評価を実施

三菱重工業は、当社グループの三菱造船株式会社と三菱重工マリンマシナリ株式会社を中核とし、設立パートナーとして参画する海事業界の脱炭素化を促進するための研究機関「マースクゼロカーボンシッピング研究所(The Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping)」(注)を通じて、既存船の改造による脱炭素燃料への転換に関する技術的・財務的・環境的評価を実施します。当社グループは、成長戦略であるエナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)の一環として同研究所のパートナー企業と協働して海事業界の脱炭素化に取り組んでおり、化石燃料を用いる既存船のカーボンニュートラルへの道程を明確化し、課題を顕在化することで船舶への投資リスクの軽減につなげます。

このプロジェクトでは、コンテナ船やタンカーといった既存船を対象にしたアンモニアやメタノールなどの脱炭素燃料化への改造や、船上CO2回収装置の導入など次世代ソリューションに関する安全面の技術的評価のほか、燃料転換費用、技術投資、燃料コストおよび関連する運航コストなどを含む財務的評価や、船舶の生涯にわたる温室効果ガス削減効果の試算による環境的評価も実施します。パートナーとして、当社のほか国際総合海運大手A.P.モラー・マースク・グループ(A.P. Møller - Mærsk A/S)、米国船級協会ABS(American Bureau of Shipping)、大型ディーゼルエンジンの老舗MANグループ(MAN Energy Solutions)、日本郵船株式会社、世界最大の独立系コンテナ船主シースパン株式会社(Seaspan Corporation)ならびに石油、ガスなどのエネルギーを手掛けるトタル・グループ(Total S.A.)が参画しており、アンモニアを輸送用燃料として安全に使用するためのガイドライン開発に続くプロジェクトとして、海事業界の脱炭素化に向けた検討を進めます。

現在、世界におけるCO2排出量の約3%を海事業界が占めており、他産業における脱炭素化への取り組みが進むにつれ、今後数十年間のうちにその割合は増加する可能性が高いといわれています。三菱重工グループは、これまで培ってきた船舶や舶用エンジンに関する技術や知見を生かし、パートナー企業との課題克服への取り組みを通じて海上物流の脱炭素化実現に尽力し、世界規模での環境負荷低減に貢献していきます。

  • A.P.モラー・マースク・グループの提唱により昨年6月に設立された、海事業界の脱炭素化を促進するための研究機関です。デンマークの首都コペンハーゲンに本拠を構え、三菱重工をはじめとする世界7企業・機関の参画により、海事業界の脱炭素化を新燃料および新技術の開発を中心に進めることを目標としています。

Tags: エナジートランジション,アンモニア,脱炭素
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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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