長崎地区の防衛・宇宙および火力発電事業関連の工場を再編
製品ごとに集約して国際競争力を強化

　三菱重工の長崎造船所については、防衛省および国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）向け特殊機械事業を集約し、製造基盤を強化するとともに、厳格な情報保全体制を構築します。具体的には、機械加工と艦船搭載機器の組立試験を中心とする幸町工場の全事業を諫早工場に移転させることで、防衛省向け水中機器と艦船搭載機器ならびにJAXA向け宇宙機器の製造を集約。併せて、本工場（飽の浦地区）の管理・設計部門も諫早工場に移転させます。

　一方、MHPSの長崎工場については、飽の浦地区、香焼地区、および幸町地区に分散する蒸気タービン製造部門とボイラー製造部門の機能を、それぞれ一つの場所に集約することにより、工場運営のスピード化・効率化を推進します。蒸気タービン製造部門を集約する飽の浦地区では、蒸気タービン加工・組立ラインを再配置するとともに、舶用ディーゼルエンジン用過給機^※「MET過給機」の生産性向上に取り組みます。また、ボイラー製造部門を集約する香焼地区では、IGCC（石炭ガス化複合発電）ガス化炉の一貫生産体制などを整備します。

　三菱重工とMHPSは、全面移転完了後の幸町工場／幸町地区の活用検討も含め、長崎造船所／長崎工場におけるさらなる事業の効率化を追求し、グローバル市場での競争力強化に力を注いでいきます。

※ 燃焼に必要な空気をディーゼルエンジンに送り込む装置です。