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歯車工作機械出荷1万台を達成
ホブ盤初号機完成から50年で

発行 第 5277号
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 三菱重工業は1日、栗東製作所(滋賀県栗東市)からドライカットギヤシェーパ「SE15A」を出荷し、歯車工作機械の累計出荷1万台を達成する。納入先は歯車専門メーカーの中村精機株式会社(本社:愛知県幸田町)。1962年にホブ盤の初号機を完成させて以来、50年を経ての大台突破となる。当社の歯車工作機械は、各種歯車の荒加工から仕上げ加工までカバーした豊富なラインアップと高い加工精度により世界市場で比類のない高評価を得ており、引き続き積極的な事業展開で世界トップの歯車工作機械メーカーを目指す。

 出荷1万台目のSE15Aは、2004年に歯車工作機械Eシリーズとして市場投入されたドライカットギヤシェーパ(SEシリーズ)の一種。Eシリーズには他にも、ドライカットホブ盤(GEシリーズ)シェービング盤(FEシリーズ)歯車研削盤(ZEシリーズ)と多数のベストセラー機があり、加工性能の向上とともに、切削油不要のドライカットにより環境配慮および使い勝手の良さを実現している。SE15Aは中村精機で、精密小型歯車をはじめ自動車用・電子機器用・産業機械用各種歯車の製造に使われる。

 当社は西ドイツからの技術導入により歯切り加工を行うホブ盤を完成させ、歯車工作機械分野に参入。続いて歯切り加工用のギヤシェーパ、仕上げ加工を行うシェービング盤や歯車研削盤の国産化とともに、それらに最適な切削工具の開発にも取り組んできた。
 1980年には国内初のNC(数値制御)によるホブ盤を開発。1997年には切削油を一切使わない世界初のドライカット歯車加工システムを完成させた。また、2009年には加工が難しい内歯車を独自の樽形砥石で高速に仕上げ加工できる内歯車研削盤「ZI20A」を開発し、2011年にはZI20Aで段付き・軸付きの外歯車まで仕上げられる加工技術を実用化。画期的な製品や技術を通じて、歯車加工現場に生産革新をもたらしてきた。

 当社は歯車加工の機械と工具を両方手掛ける強みにより、歯車加工システムとしてサービスまでも含めたソリューションを提供することで、世界トップクラスの納入実績を築くことができた。1996年に初出荷から34年で出荷5,000台を突破して以降1万台達成まではわずか16年と、受注・生産ペースは着実に加速してきている。

 1万台の国・地域別出荷先内訳は、日本国内が最多の約6,600台。米国約1,200台、インドと東南アジアで約1,000台、中国約550台、韓国・台湾で約500台、欧州約150台となっている。これらの多くが、自動車・建設機械・産業機械関連の歯車加工分野で活躍している。

 当社は1万台達成を励みとして、歯車工作機械での世界シェアナンバーワンを目指し、ギヤノイズ低減や歯車機構の小型・軽量化など高度化するニーズに応えるとともに、新加工法の開発や自然環境、作業環境にも配慮した人に優しい機械を積極的に投入・提案することで、歯車加工業界のイノベーションをリードしていく。また、日本、中国、インド、米国の製造拠点、および国内外の販売・サービス拠点の活用により、グローバルな展開を加速。歯車加工の全工程にわたり世界のトップランナーとしての地歩固めに力を注ぐ。 


【歯車工作機械出荷1万台目
ドライカットギヤシェーパ「SE15A」】

【歯車工作機械初号機
「三菱ローレンツ ホブ盤」】

 

 

ご参考:歯車加工のトップランナーとして走り続ける三菱重工(PDF/1484KB)PDF  

 


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