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ノルウェーの複合火力発電所に世界最大級3,400トン/日のCO2回収装置
スタトイル社から技術評価プログラムの実証試験を受注

発行 第 5229号
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 三菱重工業は、国際的なエネルギー会社であるノルウェーのスタトイル(Statoil)社から、世界最大級のCO2回収装置に関する技術評価プログラム(Technology Qualification Program:TQP)の実証試験を受注した。同国西海岸のモングスタッド(Mongstad)に立地する、出力約28万kWの天然ガス焚き複合火力発電設備(Combined Heat and Power Plant:CHP)への設置が計画されているもので、回収能力は3,400トン/日。当社は他の候補企業と回収技術や性能、建設・運営コストなどを競う。

 今回のCO2回収プロジェクトは、スタトイル社が所有するモングスタッド製油所で2010年から稼働している複合火力発電設備の排ガスから、CO2を分離・回収・圧縮する計画で、そこで採用するCO2回収技術を実証するもの。TQPの実証試験を通じてスタトイル社は、基本設計(Front End Engineering and Design:FEED)の発注先を決定する。

 TQPには当社を含め複数企業が参加する。各社は独自の試験設備を利用した連続運転試験を実施する計画で、当社は関西電力株式会社南港発電所の試験設備を使用し、計3,000時間の長時間運転を行う。参加企業の中から技術選定に選ばれた数社がFEEDに移行し、その中から2016年頃に本工事の受注企業が決まる予定。

 スタトイル社は、石油および天然ガスの採掘から精製、販売までを一貫して手掛ける北欧最大手の企業。

 当社のCO2回収技術は、関西電力と共同開発した高性能な吸収液「KS-1™」を用いる「KM CDR Process®」と呼ばれるプロセスで、他の方式に比べエネルギー消費量が大幅に少ないのが特長。この優れたパフォーマンスが高く評価され、当社は天然ガス焚きおよび重油焚きの化学プラントでのCO2回収で、すでに商用プラントでは10基をインドなどに納入、1基をカタールで建設中で、業界トップクラスの実績を誇っている。
 また、米国アラバマ州のバリー(Barry)火力発電所内に、石炭焚き排ガス向けでは世界最大のCO2回収実証プラント(500トン/日)を建設し、米国の大手電力会社サザンカンパニー(Southern Company)と共同で、2011年6月から実証試験に取り組んでいる。ノルウェー向けでは、回収能力3,000トン/日のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備用CO2回収装置のFEEDを、2009年に完了。大型回収装置にも即座に対応できる体制を整えている。

 当社は、環境意識の高いノルウェーでのCO2回収・貯留(CCS)関連プロジェクト参画により、CO2回収技術および回収装置の大型化対応についての信頼性を確立。CCS分野におけるさらなる事業拡大を進め、温室効果ガスの削減に貢献していく。


【CO2回収プロセス】

 

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