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今治造船とコンテナ船に関して技術提携
開発力とコスト競争力の相乗効果により市場優位狙う

発行 第 5210号
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 三菱重工業は28日、今治造船株式会社(愛媛県今治市)とコンテナ船に関する技術提携協定を締結した。省エネ船舶などで当社が持つ技術開発力と、今治造船の高いコスト競争力を組み合わせ、国際市場で優位な体制を築くのが狙い。両社の造船所を効率的に運用することでシリーズ船など大量商談にも柔軟に対応し、高付加価値コンテナ船事業の強化・拡大に取り組んでいく。

 今回の技術提携協定は、期間3年で以降の延長も可能。対象はあらゆるコンテナ船で、積載能力や推進機関などについて制限を設けていない。両社は今後発生するコンテナ船建造商談について、船主側のニーズを踏まえ船型や推進機関その他の採用技術などに関する入念な検討を行い、提案をまとめ上げていく。

 燃料価格の高騰が続くなか、海上輸送における環境負荷低減に向けた国際ルールが採択され、省エネ船舶に対する船主側の期待や要求は著しく高まっている。特に大型コンテナ船に多く搭載されるディーゼル機関は重油を燃料とするため、よりCO2排出が少なく環境負荷を低減できるLNG(液化天然ガス)の燃料化技術や、泡の力で船底と水の抵抗を減らし省エネ・CO2削減を実現する「三菱空気潤滑システム(MALS:Mitsubishi Air Lubrication System)」など当社が持つ多様な技術で差別化をはかり、船主のニーズにきめ細かく応える。

 当社はコンテナ船では、1968年に国産初となる「箱根丸」を日本郵船株式会社向けに完成させたパイオニアで、建造中を含めこれまで147隻を手掛けてきている。一方の今治造船は現在、新造船竣工量および売上高で国内トップを誇り、造船専業では大型コンテナ船まで手掛けられる数少ない存在。
 当社は、船舶・海洋事業の成長戦略として高付加価値製品への特化および保有関連技術を国内外へ供与するエンジニアリング事業の強化に注力。今治造船は、省エネ性能をはじめ先進的な船舶関連技術の獲得を目指している。今回の提携は両社の思いが一致したもの。

 両社は技術提携を弾みに幅広い提案営業を通じて、需要低迷が長引く新造船市場でコンテナ船に対する需要の掘り起こしに力を注いでいく。
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