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自由曲面加工に強い門形5面加工機「MVR-5X」を開発
着脱式2軸アタッチメントの採用で幅広い用途に対応

発行 第 5043号
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 三菱重工業は、大型工作機械の主力である門形5面加工機“プラノマシセン※1 MVR”シリーズの新製品として、航空機部品や金型などの自由曲面加工に対応した「MVR-5X」を開発した。着脱可能な2軸アタッチメントの採用により、通常の3軸加工もしくは同時5軸制御加工のいずれかが選べ、幅広い用途に対応できる。3月17日(木)、18日(金)の両日に当社工作機械事業部(滋賀県栗東市)で開催する「三菱大形機内覧会」で披露し、本格販売を開始する。

【「MVR-5X」外観】
 MVR-5Xは、当社が2003年に市場投入し、順次ラインアップを拡充してきたMVRシリーズの最新機種。既存機種が備える主軸(スピンドル)に、主軸傾斜(B軸)と主軸頭旋回(C軸)の2軸を持つ着脱式アタッチメントを採用することにより、通常のX、Y、Z軸と合わせて同時5軸制御が可能となり、任意の点に任意の角度で工具を当てる加工(任意角加工)や自由曲面加工と同時に、標準の主軸加工もできる。

 2軸アタッチメントは、最高主軸回転数1万5,000回転/分、主軸最大出力22kW(負荷時間率※2 25%ED)で、B軸傾斜角は±92度、C軸旋回角は±200度となっている。広い加工角度を確保しながら、大きさはコンパクトに抑えることで使いやすい構造を実現した。
 アタッチメント、工具はそれぞれ自動交換装置により迅速な交換作業ができ、生産性を高めることができる。また、スケールフィードバック機能を搭載しており、高い位置決め精度を実現した。

 5軸加工機に対するニーズは、航空機製造業界などを中心に高まってきているが、実際に5軸加工を主体とするユーザーはまだ限られている。一方で、通常部品の加工とともに5軸制御が求められる高付加価値の部品加工を増やしていきたいユーザーや、同時5軸加工は必要ないが任意角加工を求めるユーザーは増加している。今回のMVR-5Xは、こうしたユーザーの思いを受け、新開発したもの。

 初号機は機械部品の精密加工を手掛ける株式会社赤羽製作所(長野県飯田市、赤羽 徹社長)に納入する。

 今回のMVR-5X投入により、従来の5面加工から同時5軸加工・任意角加工までの汎用的な使用を求める需要を掘り起こし、顧客拡大に弾みをつけていく。

※1 プラノミラー(超大型フライス盤)とマシニングセンター(異種加工を一台で行える工作機械)を合成した大形機門形シリーズの呼称。
※2 負荷時間率25%EDとは、10分当たりトータルで2分30秒の間負荷運転できる時間を表す。

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