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省エネルギーを実現する舶用プロペラの設計・研究

流体

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髙島 怜子

髙島 怜子

総合研究所

2005年入社
統合工学専攻 修了

技術紹介

船舶の省エネ実現のため、具体的に何をしていますか?

数値流体力学を活用した船舶プロペラの性能検討です。

舶用プロペラの形状設計と性能評価、また性能・信頼性アップに向けて数値流体力学 (Computational Fluid Dynamics: 以下CFD)を使用した研究を行っています。
舶用プロペラとはスクリュープロペラとも言われるもので、回転させてプロペラ前後に圧力差を作ることで船の推進力を生み出します。船ごとに目標船速やエンジン出力、プロペラ設置深さが異なり、また通常プロペラは船の後方に設置されるのですが、前に設置される船体形状によって流入速度が変わるため、船に合わせたプロペラが必要です。そこで要求仕様を満たしつつ、信頼性の高いプロペラをお客様にお届けできるように取り組んでいます。

プロペラ設計で注意していることは何ですか?

性能はもちろん、信頼性の確保にも注意しています。

決められた馬力で目標船速を達成することと信頼性を高くすること、すなわち振動や騒音、エロージョン回避についても気をつけています。
フェリーや客船等ではお客様が快適に過ごしていただけるように、プロペラの直径や翼枚数を変更して振動を抑える工夫をすることもあります。
また、回転しているプロペラの表面では、圧力が低下する場所でキャビテーション現象が発生することがあります。キャビテーション現象とは、圧力が低下した場所で海水が沸騰する現象ですが、これによって推進効率の低下が起こるだけでなく、その発生位置や範囲によっては振動やエロージョンの原因になります。そこでCFDや模型試験を実施して、実際の船で発生するキャビテーションを予測し、問題を起こさないプロペラ形状を決定します。

写真:舶用プロペラ

今後求められることは何ですか?

省エネ効果の更なる向上です。

今後はプロペラ単体での性能向上ではなく、フィン等の付加物と組み合わせて、省エネ効果を向上させることが重要だと思います。
三菱重工では既にプロペラ前方に設置する「リアクションフィン」、プロペラ後方に設置する「ステータフィン」を開発・実用化しましたが、これ以外にも有用なアイデアはあります。それらアイデアの効果確認、改良を行い、早く製品化する必要があります。
そのために、現在CFDを使用してアイデアの効果確認を行っています。CFDだと模型試験よりも詳細な流場の情報が得られるので、CFDの段階でアイデアをブラッシュアップし、最後に模型試験を実施して、改良を加えていきます。

写真:フィン

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