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次世代の火力発電システムIGCCを支える化学分析技術

化学

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嬉野 絢子

嬉野 絢子

総合研究所

2008年入社
物質工学科 卒業

技術紹介

IGCCにおける化学分析の役割とは?

プラント基礎設計、品質管理のための物質の性状把握です。

石炭ガス化複合発電(IGCC: Integrated coal Gasification Combined Cycle)は従来型石炭焚き火力に比べて発電効率が約20%向上します。石炭使用量を削減し、CO2削減に寄与できることから、資源の有効活用と環境保全の両面で注目を集めています。
一方で、プラントの基礎設計、品質管理、性能維持のためには、それを取り巻く物質の性状を定量的に把握することが極めて重要であり、目には見えない化学物質の性状や存在量を目に見えるデータにすることが求められます。そこで必要とされるのが化学分析技術です

どのようなものを分析するのですか?

石炭、排水、排ガスなどIGCCシステムの各機器に存在する全ての化学物質です。

燃料として用いる石炭、環境リスクとなる排水、排ガスはもちろんのこと、IGCCシステムの各機器で存在する中間物質まで、設備全体を対象としてそこに存在する化学物質を評価します。 石炭がIGCCのガス化炉でガス化された後の「ガス化ガス」を例に説明します。ガス化ガスは主成分である水素、一酸化炭素、メタン、二酸化炭素などの他に、石炭から放出された硫黄化合物、窒素化合物、さらには塩素、 化ガス」を例に説明します。ガス化ガスは主成分である水素、一酸化炭素、メタン、二酸化炭素などの他に、石炭から放出された硫黄化合物、窒素化合物、さらには塩素、フッ素などのハロゲンや微量の重金属元素、 タール分などを含んでいます。これらの物質はガスタービンをはじめとする後流機器に対して腐食や摩耗といった悪影響を与えることから、その発生量を正確に抑え、ガス精製設備設計に反映させる必要があります。

写真:勿来10号(IGCCプラント)
勿来10号(IGCCプラント)

実際の製品への貢献を聞かせてください。

実機環境でも計測可能な技術開発を行っています。

環境影響評価、製品設計など、化学物質の測定ニーズは高い一方で、ガス化ガスのように計測妨害成分を多量に含む特殊な物質の評価には、世間一般で使用されている公定分析法では対応できない場合があります。対象物の性状を十分に理解せずに単純に分析すると誤った数値を出すことになり研究開発、製品設計をミスリードすることにもなりかねません。そこで、対象物と計測ニーズに合わせて工夫をし、既存技術を組み合わせたり、世の中にはない新規分析手法を開発します。たとえば、高温高圧雰囲気のIGCCプラントでも抜き差し可能なサンプリングプローブの開発や、目的成分を選択的に分離できる液体クロマトグラフィと超微量元素の検出が可能である誘導結合プラズマ質量分析の複合分析の条件最適化などに取り組んでいます。

写真:誘導結合プラズマ質量分析法と現場分析の様子
誘導結合プラズマ質量分析法と現場分析の様子

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