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高速増殖炉(FBR)開発のための新会社を設立

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 三菱重工業は、高速増殖炉(FBR)の開発を進める「三菱FBRシステムズ株式会社」(略称:MFBR)を設立し、7月1日から事業を開始する。本年4月に当社がFBR実証炉の基本設計開始までの研究開発体制における中核企業に選定されたことを受け、独立した専業組織により、エンジニアリングなどの関連業務を効率的に一括実施する。当面、2015年を目標に実証炉・実用炉の概念設計と革新的要素技術の開発をメーカーへの発注も含め取りまとめるとともに、FBR開発に関する国際協力についても中心的な役割を果たしていく。

 本社所在地は東京都渋谷区神宮前。資本金は1億円で、当面は当社全額出資となるが、将来的には電力会社からの出資も受け入れる予定。発足時の従業員数は約50人で、2015年には160人規模まで拡大させる。初代社長には、岡田敬三 当社原子力技術部長が就任する。

 FBRは、冷却材に液体金属ナトリウムを使用し、高速の中性子を用いてウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を燃焼させることにより、消費した以上の燃料を増殖する原子炉。わが国では、早くからFBRを軽水炉に続く21世紀の原子力発電の主力システムとして位置づけ、これまで実験炉「常陽」(初臨界1977年)や原型炉「もんじゅ」(同1994年)などの開発を進めてきた。

 当社は、1960年代よりFBR開発を原子力の中核事業の一つとして、これら実験炉、原型炉の開発に積極的に参画。それらの実績などが評価され、当社は4月18日、文部科学省、経済産業省、電気事業連合会および日本原子力研究開発機構より、今後のFBR開発を明確な責任体制のもとで、効率的に推進するための中核企業に選定された。

 新会社は、これまで当社が培ってきたFBR技術を継承し、FBR開発の中核企業である当社と一体となって、国の開発方針に沿って2025年の運転開始を目指すFBR実証炉と、2050年までに軽水炉の代替として導入が計画されているFBR実用炉の開発に積極的に取り組んでいく。

 


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