OUR VISION, YOUR ACTION

2024事業計画(略称:24事計【中期経営計画:Medium-Term Business Plan】)の実行に向けて、世界を前に進めるために社員が取り組んでいる事例を紹介します。
仲間の活動を知り、あなた自身の行動につなげていきましょう。

24事計はこちら

登場部門

エナジードメイン
三菱重工コンプレッサ株式会社
技術センター 技術革新グループ

テーマ

CCUS市場向けに新しい発想で、コンプレッサを開発

コンプレッサは、気体を圧縮して送り出す機械。気体をパイプラインへ送出するほか、貯蔵のために液化させる働きなど、素材などの生産や輸送の過程で使われています。ここ最近は、従来からの使用目的に加え、CCUS*1での使用を想定したコンプレッサが求められるようになりました。CCUSの場で、コンプレッサは回収したCO₂を圧縮してパイプラインに注入し、貯留地へ送出したり、タンクに貯蔵するために圧縮して液化するなどの役割を果たすことになります。CCUSの市場は、これからの分野であり、お客様の求める内容も日々変化し、多様化しています。私たちは期待に応えられる性能と使いやすさを追求したコンプレッサを開発しました。

  • 1Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略。分離したCO₂を貯蔵利用すること
世界中のプラントで活躍するギアドコンプレッサ「MAC-G」
世界中のプラントで活躍するギアドコンプレッサ「MAC-G」*2。写真の製品をさらに改良しました
  • 2Mitsubishi Advanced Compressor Geared
世界最大級のCCUSプラント
世界最大級のCCUSプラント
  • 3回転機器で、高速回転する軸(シャフト)と本体のすき間から、内部の液体・気体が漏れるのを防ぎ、外部からの異物侵入を阻止する密封装置。主軸からの流体漏れを制御する重要な部品であり、しっかり密閉する必要がある。

VISION

お客様の利益を生み、
カーボンニュートラル実現にも貢献していく

従来の一軸多段圧縮機では、インペラに合わせた回転数の調整ができませんでした。しかし、MAC-Gは、複数のギアをかませることで、インペラに合わせて回転数を最適化し、消費動力の低減が可能です。コンプレッサとしての全体の設計コンセプトを一から考え直したことで、高効率でランニングコストも低く運転していただけます。私たちのMAC-Gを、地球課題を解決しようとしているお客様のCCUSプラントへぜひ搭載していただきたいです。

世界中の人たちに言わせたい
「CO₂排出量削減の場に、MCOのMAC-Gあり!」と世界中の人たちに言わせたい

ACTION

製造からメンテナンスまで、
バリューチェーン全体を考えて開発

CCUS向けのコンプレッサの開発は2年半前に構想設計からスタートし、2025年9月に評価試験を終え、12月に完成しました。すでに欧州・米国などで3〜4件の導入ニーズが見え始めており、早ければ2027年度の市場投入を予定しているカーボンニュートラル社会の“切り札”的存在です。

CCUSは、これまで大気に出していたCO₂を回収して扱う分、“新しいコスト”が発生します。だからこそお客様は、できるだけ低コストで高効率にCO₂を圧縮できる機械を求めていました。そこで私たちは、段ごとに歯車の回し方を最適化できるギアド式の強みを生かしつつ、競争が激しくなる市場で「価格でも効率でも負けない」新しい製品の開発へ踏み込みました。

一方で、最も苦労したのは「安く・速く」を狙って回し方を変えることで、これまで見えていなかったリスクが表に出たことです。開発にあたり、歯車が噛み合う箇所の設計基準を引き上げる必要がありました。その際、歯車の表面が高温になったり、精度に影響が出たりしないかを、机上の想定だけでなく実証しなければなりません。回転中の部品からデータを取るための“特殊な計測”も必要で、試験計画づくりからデータ処理、解析との突き合わせまで、やるべきことは山積みでした。そこで、有識者にも相談しながら、温度を直接測って確かめる仕組みを構築。想定どおりの結果を得て設計基準を確立しました。

また、元々あった課題の解決にも着手しました。ギアドコンプレッサの改良を重ねていく上で、これまでの設計開発のやり方が、顧客側の目線になっておらず、また、製造部門にとっても、作りにくいことに気が付きました。CCUS向けという新たな用途にこれから向き合っていく上で、私たちは「将来的に末長く使いやすい製品に改良しよう」と、意見を一致。性能を重視するだけでなく「現場で長く使い続けられるか」という視点で、全体の設計から見直しました。さらに、コンプレッサは、プラントの心臓部として稼働し続けることが大前提である機械であり、メンテナンスのしやすさも大きなテーマでした。巨大な配管を外さずに中の重要部品を確認できるようにするなど、停止期間を最小化する工夫を設計に織り込み、MCOの生産センターや実際に現地で据え付けなどに関わる人たちの声も取り入れて“ユーザーフレンドリー”な形へ見直しています。

およそ3年という短期間で開発を実現しました。それは各部位ごとに役割を分担したことと、計画初期から製造部門およびシェアドテクノロジー部門も巻き込んで一体となって取り組んだことが大きいです。それぞれの担当が責任を持って改良に取り組み、「絶対に、一つの製品として成立させる」という意識で、最後まで開発に取り組むことができました。関わった全員が“ONE TEAM”になって製品を完成させることができた良き事例であると自負しています。

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