技術戦略

技術や知識の横通しを促進し、
コングロマリットメリットを
実現していきます。

副社長執行役員 CTO名山 理介

コングロマリットメリットの実現

シェアードテクノロジー部門では、技術基盤およびマーケティング力の強化や調達を含めたバリューチェーン等の全社最適化を図り、さらには中長期にわたる企業および事業競争力の基盤強化を推進しています。三菱重工グループは競合他社に比べて、多品種の製品を扱っていますが、この製品の多様性を強みとして発揮できるように、既存製品の次期開発では、技術や知識の横通しを促進し、例えば、ガスタービンで開発した先端技術をコンプレッサやターボ冷凍機、ターボチャージャなど、多製品に展開することで、一つの開発投資から、より大きな成果を刈り取るコングロマリットメリットの実現に注力しています。

技術戦略推進室、総合研究所、ICTソリューション本部、バリューチェーン本部、マーケティング&イノベーション本部で構成。

MHI FUTURE STREAMの推進

三菱重工グループを取り巻く事業環境は、気候変動、都市化、高齢化等による社会ニーズの変化により、複雑かつ不確実な状況に直面しています。例えば、エネルギー分野では、供給・消費の構造が変化し、再生可能エネルギーがますます広がるとともに、電化の流れもいっそう強まっていくでしょう。当社グループは、こうした社会の変化にしなやかに対応し、サステナブルな地球の実現に貢献しつつ、持続的な成長を遂げることが求められています。そのための取り組みとして、当社グループはMHI FUTURE STREAM活動を進めています。

この活動では、長期的な将来社会像から当社グループにとっての事業機会や脅威を把握し、既存事業の中長期転換策の創出に取り組んでいます。具体的には、低炭素社会、さらには、脱炭素社会の実現や都市問題を解決するためのモビリティ/ロジスティクスの革新、クリーンな循環型社会、ロボティクスなどに取り組んでいきます。こうした転換策を実現するべく、最先端技術を探索/投資し、新たな製品・サービスやビジネスの芽が出るように取り組んでいます。実施にあたっては、シェアードテクノロジー部門の多角的な市場・技術センシング力を活用するとともに、2018年4月に設立したイノベーション推進研究所やCOEとのオープンイノベーションによる革新的な社外の知見・技術を活用・導入し、相乗効果を追求していきます。

COE: Center of Excellence

AIの活用

AI技術の製品への適用については、作業ナビゲーションシステムや運転監視・異常予兆診断・運転最適化、製品検査、自動溶接、スケジューリングなど、さまざまな製品や生産設備で進めています。

業務系分野では、IBMと共同で開発した「契約リスク低減システム」の実工事適用を開始しており、リスクマネジメントの高度化につなげていきます。さらに設計業務への適用や取引先情報、支出情報といったビッグデータ解析にAIを活用して調達業務の高度化・効率化を進めています。今後も、これらの取り組みを重点的に推進していきます。

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