CSOメッセージ

経営資源の最適な
配分を通じて、
成長志向のグループ経営を
実践していきます。

取締役 常務執行役員 CSO泉澤 清次

CSOの役割

三菱重工グループはグローバル水準の持続性と成長力を有する企業体格の実現に向けて、持続的な成長軌道を歩んでいくための新たな一歩を2018年度から踏み出しました。成長志向のグループ経営を強力に推進していくために、2018年度に新設されたCSO(Chief Strategy Officer)という役職には、市場動向や社会のニーズを念頭に、全社の経営資源をどのように配分・活用していくかを考え、指揮していくことが求められています。より具体的に言えば、成長戦略の策定と経営のグローバル化を進めていくことが主な役割となります。

今後の成長戦略

成長戦略については、2018事業計画の目標達成に向けた取り組みと、その次の事業計画を見据えた中長期視点での取り組みがあります。前者に関しては、各SBUの目標に対する進捗をしっかり管理するとともに、グローバルに戦っていくうえで必要なリソースが各SBUに適切に配分されているかを確認し、要すれば必要な措置を迅速に講じます。その点で、CFOやCTOをはじめとする他のチーフオフィサーとの連携が重要であり、日頃からコミュニケーションを密に取っています。

後者の中長期視点での取り組みに関しては、MHI FUTURE STREAMで掲げているように、現在および未来の社会が直面する課題を見極め、新たな技術や製品、ビジネスモデルの開発・創出を進めていきます。

かつての当社グループは、まず技術を開発してから事業に活かす、または我々自身が良いと考える製品を作ってお客さまに提供することを志向しがちでしたが、10年ほど前からトップがそうした風潮を変えようと努めてきました。どのような社会的課題が存在し、その解決のためにはどの分野にどれだけリソースを投入すれば良いかを念頭に置き、技術と事業をいっそう融合させた成長戦略づくりを進めていきたいと考えています。また、その成長戦略に基づいて、ポートフォリオの継続的な見直し・組み替えを行っていきます。

三菱重工流のグローバルな経営

近年、グローバル化の進展とともに、機動的な事業運営などを目的とした事業会社化を進めています。世界中で多様な事業を展開し、さまざまなバックグラウンドを持った社員が活躍している当社グループでは、その土地に合ったローカル経営を推し進めると同時に、グループ全体の求心力を高めることで、コングロマリットとしてのメリットを存分に発揮していきたいと考えています。

従来の日本流のやり方ではなく、欧米流の追随でもない「三菱重工」らしいグローバルでの経営のあり方を模索していきます。

一方で、後世に引き継いでいきたいカルチャーもあります。私は、安全・安心・快適を世界中の皆さまに提供することが三菱重工のあるべき姿だと考えています。そこにはモノづくりだけでなく、コトづくりも含めて、安心して使っていただけるより良いものをお客さまにお届けするというこだわり、あるいはプロ意識は変わってほしくないと思います。

また、複数の製品やサービスを組み合わせることで、新たなソリューションを提供し、お客さまの課題を解決していくことが、我々自身の成長にもつながると考えています。そのためには事業会社やドメインの垣根を越えて協働していくことが欠かせません。例えば、低炭素・脱炭素という潮流に対しても、発電の効率化やCO2回収装置、水素燃料を組み合わせるなど、さまざまなアプローチが可能です。幅広い事業領域を活かした付加価値の高いソリューションを、お客さまの求めに先立って提案していく風土を醸成していきたいと思っています。