小林和幸
KAZUYUKI KOBAYASHI

三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
サービス事業部
長寿命化プロジェクト部
工事統括グループ
2008年入社
システム工学部環境システム学科卒

新たな命を吹き込む
価値創造型のプロジェクト

現在の仕事内容と役割

日本では1980年代後半から1990年代前半にかけて多くのごみ焼却場が建てられました。これらの施設は稼働を始めて20年以上経つと劣化が目立つようになり、性能が大幅に低下してきます。そこで、基幹的な設備をリニューアルすることにより、さらに10〜15年稼働できるようにするのが、私たちの仕事である「長寿命化プロジェクト」です。ごみ焼却場を運営している自治体から相談を受け、綿密な調査を行い、どの設備がどのくらい傷んでいるかチェックし、そして要望や条件に合った形で、どの設備を新しくすれば効果が最大になるのか、最適化設計を行います。

仕事のやりがいや醍醐味

重要なのは、この仕事が単なる延命目的ではなく、ごみ焼却場に新たな命を吹き込む価値創造型のプロジェクトだという点です。まずは、より効率の良い設備に更新することで消費電力や燃料の使用量を削減し省エネ化を図ります。そして熱回収の促進や発電能力の向上を図り、施設の発電効率を向上させます。それらの評価は最終的には二酸化炭素(CO2)の排出量に換算されます。CO2削減量に応じて国が補助金を負担してくれる制度もあり、お客様である自治体にとってもメリットのある計画をいかに立案していくかが、やりがいでもあり醍醐味にもなります。

印象に残っている仕事

広島市のプロジェクトが印象に残っています。ボイラの部分更新や煙道の交換と改良、押し込み送風機の最適化などによる燃焼制御の改良により、15%のCO2削減を実現。併せて、改良された固形化技術を採用し、排ガス中の飛灰中に含まれるダイオキシン類の溶出防止対策を強化しました。通常、計画から完成まで3〜5年、工事期間だけで2年以上かかりますが、工事の責任者を務めたことが勉強になりました。その間、現地に滞在して現場の作業の指揮を執りましたが、机上で考えたことが必ずしもうまくいくとは限らず、改めて設計の難しさを感じました。

入社当時と比べ成長した点

現場では高所作業や重量物の運搬・据付も頻繁にあるため、作業員が危険に晒されるほか、稼働中の焼却炉の隣で作業する場合は熱中症対策も考える必要があり、とにかく安全に工事が進められるように神経を使います。大勢の作業員をまとめあげていくとともに、信頼関係を構築していくのは並大抵のことではありません、しかし、最後は現場の作業員が事故や災害で一人も欠けることなく笑顔で現場を去っていく姿を目にする際には肩の荷が下りるとともに、自分が設計・計画したものが少しずつ形になる喜びとともに、自分自身の成長も実感します。

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